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脂質「15g」吸収抑制 キウイポリフェノールに体脂肪など減少サポート機能

 サプリメント原材料メーカーの㈱オムニカ(静岡県裾野市、高尾久貴社長)が、自社で開発し生産するキウイフルーツ果実抽出物「キポフェン」について可能な機能性表示の幅を広げる。食事からの脂質、15グラム相当の吸収を抑える働きを背景に、BMIが高めの人の体脂肪や体重などの減少をサポートする機能を表示できるようにする。ヒト試験(RCT)を新たに実施し、有効性を明らかにした。

「効果サイズ」をヒト試験で明らかに

 世界的に親しまれているキウイフルーツ果実を原料にしたキポフェンの有効成分は、ポリフェノールの一種であるプロシアニジン(キウイ由来プロシアニジン)。脂肪を分解する酵素、膵リパーゼの活性を阻害することで、食事からの脂質の吸収を抑える働きがある。

 オムニカではその「効果サイズ」もヒト試験に基づき報告。キポフェンを200ミリグラム摂取することで15グラム相当の脂質の吸収を抑制する、としている。脂質15グラムは、例えば牛丼並盛一杯分の約6割に相当する。

 吸収を抑える脂質の「量」を具体的に示すことで、一般消費者の誤認を避ける。「(機能性食品の)商品情報は、機能性表示だけでなく事実情報も伴うかたちで説明されることが多い。ただ、これまでに見かけてきた広告では、効果サイズとは無関係に、高脂肪食品の画像とともに脂質吸収抑制の意図を伝えようとしているため分かりにくく、誤認を招きやすい」と同社は指摘。科学的根拠に基づく効果サイズの範囲内で脂質吸収抑制機能を訴求していく考えだ。

 健康的なイメージも強いキウイフルーツ果実の機能性を探索する研究は以前から行われていた。オムニカでは2000年代半ばから研究を進めていて、微量含まれるプロシアニジンに膵リパーゼ活性阻害機能があることを発見し2010年までに特許を成立させた。

 その後も研究開発を続け、50%効果濃度、NOAEL(無毒性量)、糞便中脂質の増加などを動物試験で確認したり、安全性、摂取量、脂質吸収阻害効果およびその効果サイズなどをヒト試験で明らかにしたりしてきた。基礎研究からヒト試験まで、これまでに投稿してきた論文も多い。

 すでに機能性関与成分として消費者庁への届出実績がある。食事による脂質の吸収を抑えることに伴う食後中性脂肪の上昇抑制をヘルスクレームにした機能性表示食品のサプリメントが複数、届け出され、販売もされている。

 その上で今回、機能性に関する適応の追加検証も目的にしたRCTを実施し、科学的な根拠を固めた。そこで得られた知見に基づき、機能表示の範囲を体脂肪などの減少やBMIの改善まで広げる。新たなRCTをまとめた論文は、キウイ由来プロシアニジンに関する総説とともに、査読付き学術誌『薬理と治療』の最新号(2022年50巻10号)で発表した。

目標値上回る脂質の吸収を抑制 

 脂質はエネルギー産生に必要な栄養素。国が策定する「日本人の食事摂取基準」においても1日あたり摂取基準(総エネルギーに占める割合の目標量)を設けてある。一方で脂質のとり過ぎは肥満を招き、生活習慣病などのリスクを高めるとされ、実態としては、目標量(20%以上30%未満)を上回るかたちで脂質を摂取している人が増えている。2019年国民健康・栄養調査によれば、目標上限の30%を上回る人は4割に上る。そのうち半数が、35%を超えるかたちで脂質を摂取している。

 オムニカによれば、脂質から取るエネルギーの割合が35%の人は、脂質を約13グラム過剰に摂取していると計算できる。このため、キポフェンに確認されている15グラム相当の脂質吸収抑制機能は、目標値よりも過剰に摂取した脂質の吸収を抑制させることになる。

 「(機能性食品などを通じて)脂肪吸収の抑制を図る際には、どの程度の脂質量が制限されるのかを承知して行うことが妥当。また、BMIの高さや体脂肪の多さを意識している場合、脂質の吸収を約15グラム抑制することを目標とすることは、健康維持・増進の考え方の範囲に収まる適切な考え方だといえる」。

 体重管理や生活習慣リスクのケアに資する機能性食品としてのキポフェンおよびキウイ由来プロシアニジンの有望性をオムニカはそう強調する。機能性表示食品市場に広く普及させたい考えで、先月末から、「体重・体脂肪・BMI・腹囲の減少をサポートする」旨を盛り込んだ新たなヘルスクレームに関する届出のサポートを開始した。

キポフェン開発の歴史と製造現場、動画で伝える

 同社はキポフェンの開発背景や生産・品質管理の実際を伝える動画映像を制作。きょう(7日)からウェルネスニュースグループのYouTubeチャンネルを通じて公開を始めた。研究開発・分析施設を併設する生産拠点「裾野工場」の内部を映像で伝えるのは初。サプリメント用の植物抽出物メーカーとして同社が掲げる理念を伝える内容にもなっている。

【石川 太郎】

(冒頭の画像:オムニカが制作したキポフェンに関する動画映像から)

<COMPANY IMFORMATION>
所在地:静岡県裾野市今里492-1(本社・工場)
TEL:055-957-5030
URL:https://www.omnica.co.jp/
事業内容:機能性食品の原材料製造・製品受託製造

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