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事前確認制度、割高・情報漏洩が心配【機能性表示食品特集】制度に関するアンケート結果公表(後)

認知度の低さは引き続き不満 消費者庁自らの発信を要望

 前回のアンケートと比較して、消費者の認知度も多少向上しており、それを評価する声も聞かれた一方で、依然として制度の認知度の低さを嘆く声は残る。6月に公表された(一社)健康食品産業協議会(橋本正史会長)の「事業者向けアンケート結果報告書」においても、消費者庁への要望として、「機能性表示食品の啓発活動拡大」がトップとなった。それによると、「とてもそう思う」と「ややそう思う」合わせて82.3%、その他、「行政と業界団体共同での啓発活動」、「機能性表示食品制度と海外制度の協調(ハーモナイゼーション)」がそれぞれ31.9%という結果が発表されている。
 
届出行う事業者への質問 事前確認の利用状況について
 
 届出を行う事業者に対して、(公財)日本健康・栄養食品協会(JHNFA、矢島鉄也理事長)と(特非)日本抗加齢協会(東京都港区、吉川敏一理事長)が現在手掛けている、届出の事前確認の利用状況について質問した。「利用したことがある」はわずか3.4%で、「利用したことはないが、今後利用する予定」は10.3%に留まった。一方、「利用したことがないし、今後も利用しない」は86.2%という結果に。
 今後も利用しないとしたその理由では、「利用メリットを感じない」が「あまり感じない」と「全く感じない」と合わせて79.1%となった。そのほか、「料金が高い」が37.5%、「情報の漏洩が心配」が16.7%、「事前確認自体に時間がかかる」が12.5%だった。その他、すでに外部のサポート会社と契約しているケースや自社で対応しているというケースも見られた。
 昨年11月のアンケートでもこの事前確認について尋ねたが、ここでも約7割が「利用しない」と回答しており、その理由も、「価格が高い、事前チェック期間を考えると十分な時間短縮とは言えず、大きなメリットを感じられない」、「自社の確認レベルが上がったと同時に、すでにお願いしている外部コンサルタントで十分対応できる」だった。

届出事前確認の仕組みの構築 「利用すると思う」が41%に

 民間団体等で事前確認を経た届出(公表実績のある機能性表示食品の届出)について、消費者庁での確認期間が「ゼロ日」になるのであれば事前確認を利用するかどうかについて質問した。
 結果は、「利用すると思う」が41.4%に、「利用しないと思う」が24.1%、「どちらでもない」が34.5%となった。「利用しないと思う」理由として、「価格次第」とする声が最も多くなった。具体的には、「最終的な公表を行う決定権を持つ消費者庁が無料なのに対して、わざわざお金を払ってその決定権を持たない組織に事前確認を依頼するメリットがわからない。ただし、事前確認団体が2週間程度でスピード確認できるならば利用するメリットはある」(OEMメーカー)、「今後はどうなるかは分からないが、現時点ではそこまで費用をかけるメリットを感じない」(通販事業者)といった声が聞かれた。
 その他、「確認期間“ゼロ日”のメリットだけでは判断できない。通常、2カ月程度で確認が行われるという前提においては、ゼロ日の効果はそれほど大きな意味を持たない」(販売事業者)、「自社で対応できる」(OEMメーカー)という声も聞かれた。
 また、「企業からの出向者を含む団体になれば、届出情報の漏洩は避けられない。情報漏洩に対する罰則や取り締まり、規制がセットで必要になる」(原料メーカー)といった、昨年11月の調査でもあった情報漏洩を懸念する声もあった。費用対効果と情報漏洩に対する仕組みづくりが課題となりそうだ。

(了) 
【藤田 勇一】

関連記事:【機能性表示食品特集】制度に関するアンケート結果公表(前)
    :【機能性表示食品特集】制度に関するアンケート結果公表(中)

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