大阪市は小林製薬㈱（大阪市中央区、小林章浩社長）に対してきょう27日、食品衛生法に基づく製品回収命令の行政処分を行い、発表した。

　腎疾患の健康被害との関連が疑われている機能性表示食品『紅麹コレステヘルプ』を含む3製品の回収を命じた。同社が製造する紅麹の安全性をめぐり行政処分が行われるのは初めて。

　厚生労働省はきのう26日夕、小林製薬に対する聞き取り調査結果を踏まえ、有害な物質が含まれる食品の販売などを禁じる食衛法第6条2号違反に当たるとして、同社を管轄する大阪市に対し、廃棄命令等の措置を講じるよう求めていた。

　大阪市が食衛法6条2号違反で回収を命じたのは、腎疾患の健康被害との関連が疑われているサプリメント『紅麹コレステヘルプ』の他に、同製品に配合されていたのと同じ小林製薬製の紅麹を含む『ナイシヘルプ+コレステロール』、『ナットウキナーゼさらさら粒GOLD』の3製品で、いずれも機能性表示食品。「現在までに販売したもの全て」について回収を命じた。

　厚労省が食衛法第6条2号違反に該当すると判断した理由は、同省の発表よれば、同社製紅麹を含む『紅麹コレステヘルプ』の使用で健康被害が多数報告されていること、2人の死亡事例が同社から報告されたこと、健康被害との関連性が明らかになっていないこと──の3点。26日夕、同社の担当者を呼び、機能性表示食品制度を所管する消費者庁と合同でヒアリングを実施していた。

　小林製薬は22日夕、『紅麹コレステヘルプ』を使用した人の健康被害を初めて公表していた。大阪市の発表によれば、同社は同日、製品との関連が疑われる健康被害の発生を大阪市保健所に報告。これを受けて同保健所は、同社に対して、速やかな自主回収、被害情報の把握、原因究明を指示していたという。

【石川太郎】

（冒頭の画像：小林製薬に対する回収命令を伝える大阪市のホームページ）

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