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増加するEC、消費者にどう届ける? 課題解消へ、物流大手企業がワンストップサービス

 EC(ネット通販)物流事業を本格化させている物流大手のSBSホールディングス㈱(東京都新宿区、鎌田正彦社長)が、EC物流サービスの名称をグループ全体で統一し、テレビCMを含む大規模なプロモーションを昨年末から開始した。

 「ワンストップ型」を特徴とする同サービスの新名称は『EC物流お任せくん』。イメージキャラクターとして俳優の長谷川博己氏を起用した。EC市場関係者から一般消費者まで企業認知を高め、ECのスタートアップから大手まで顧客拡大を図る狙い。

 新型コロナ禍でEC市場が急拡大したのを受け、EC専業顧客向けサービスの本格稼働に舵を取った。

 メーカー系から販売系までB to Bの総合物流受託事業で培った倉庫管理や配送などに関するノウハウをEC物流に応用することで、EC販売量の急増に伴う物流の増加や集中、配送コストの高騰など、EC市場が抱える課題を解消できると判断。グループ全体で保有する国内外700以上の拠点を生かし、販売量が短期間で急拡大することがあるサプリメントや化粧品のEC事業者などを支える。

 『EC物流お任せくん』では、入庫~保管~出荷から、ギフト包装・特殊梱包などの流通加工、ラストワンマイル(最終物流拠点から消費者に届けること)まで、EC物流の各過程をワンストップで提供できるプラットフォームを構築。サービスには、ECサイトの制作・運用や受注管理なども組み込み、ECのスタートアップ企業から、すでに大きな販売量を抱える事業者まで、EC物流の全面的なアウトソーシングを受け入れられる体制を整えた。 

小回り利かせてサプリ、コスメのEC物流も

 同社の鎌田正彦社長は、「あらゆる業界のEC物流業務に対応し、荷主それぞれのニーズに沿ったサポートに対応する」とコメント。また、「24年初頭に稼働する千葉県野田市の物流センターでは、ロボットが縦横無尽に走り回るEC物流に特化したエリア(約2万坪)を作る」とし、省人化や業務効率化といったコスト削減にもつながる「物流DX(デジタルトランスフォーメーション)」を導入したEC物流サービスの提供に意欲を見せる。

 また、同社のグループ会社としてEC物流事業の一翼を担うSBSロジコム㈱(東京都新宿区)では、「ECの大手からスタートアップまで分け隔てなくサービス提供できるプラットフォームを構築した。スタートアップ専用のサービスプランも用意してある。サブスク通販・単品通販・多品種少量など業態も問わない」(Eコマース推進部担当者)と話す。

 その上で、サプリメントや化粧品などのEC物流について、医薬品など許認可が必要な商材の取り扱いが可能な倉庫を用意している他、以前から食品物流を手がけているため、「衛生管理レベルの高い施設も揃っている」ことが強みになると強調。「国内だけでなく、サプリメントや化粧品などの越境ECや輸出入も含めた物流サービスも提供していく」とする。

 SBSホールディングスの売上高は連結で約4,500億円。そうした大手物流企業が小回りを求められるEC物流に本格参入するのは珍しいとされる。EC物流事業の推進体制もグループ会社横断で構築しており、SBSロジコムを始めとするグループ7社・約30人のプロジェクトチームが事業を推進。今後、EC物流専用拠点を全国規模で広げながら、30年までにEC物流関連事業で1,000億円を積み上げる計画だ。

【石川 太郎】

(冒頭の画像:「EC物流お任せくん」のサービスサイトも立ち上げた。写真はトップページの一部)

<COMPANY INFORMATION(SBSロジコム)>
所在地:東京都新宿区西新宿8-17-1 住友不動産新宿グランドタワー25階
URL: https://www.sbs-logicom.co.jp/
事業概要:貨物自動車運送業、荷造梱包事業、倉庫業など
拠点数:103拠点/総保有坪数:20万坪

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