商品開発までを最適にストーリー化 【機能性表示食品特集】アイメックRD、フェーズに合わせた臨床試験で支援
㈱アイメックRD(東京都中央区、大澤裕樹社長)は、前身のアイメック社を継承し、医薬品治験の受託と食品ヒト試験全般を業務範囲とするだけでなく、親会社である㈱RDサポート(同)とともに、顧客や人材といったリソースをグループ企業間でシナジーを創出しながら事業に磨きをかけていくことを目的に、2018年1月に設立された。
試験立案から試験遂行までトータルでサポート 最適な費用対効果を実現
同社は、これまでの実績の中で蓄積された独自のノウハウと、医師、大学・研究機関の研究者や博士号取得の学術メンバーによる視点から、臨床試験の実施から試験目的に沿った精度の高い試験計画(設計)、提携医療機関、試験審査委員会まで、関係機関との連携により試験内容に最適なチームのコーディネート力で臨床試験を包括的に支援している。
特に管理栄養士有資格者がCRC(治験コーディネーター)としてキャリアアップできる親和性が高いため、親会社のRDサポートと連携し、OJTやeラーニングを中心とした研修を経て、CRCとしてキャリアアップできるスキームを整備した。
また、設立当初は東京を中心とした業務体制だったが、現在、関東全域と札幌を中心とした北海道エリアにある多くの医療機関と連携し、研究実施体制を確立している。医薬品開発では、地域の中核病院との提携が増え、より医療に貢献できる体制に、食品開発では実績が厚みを増し、広範囲に及ぶ支援体制が整った。
試験実施において、同社では10万人規模の母集団を持ち、単月1,000人のスクリーニング実績がある。電子日誌を用いた管理体制や試験当日、有資格者(看護師、臨床検査技師、管理栄養士)による試験当日のきめ細やかなコミュニケーションにより、被験者の試験途中での脱落も予防している。
遠隔による臨床試験を実現 「モニタリング・リサーチサービス」を開始
同社は今年2月、資本提携しているCPCC㈱(同、大川勝社長)とともに、AI健康アプリ「カロママプラス」を提供する㈱リンクアンドコミュニケーション(東京都千代田区、渡辺敏成社長)と連携し、完全オンライン型の臨床試験サービス「モニタリング・リサーチサービス」を開始した。
「カロママプラス」は、毎日の食事や運動、睡眠など、健康に関するライフログを記録できる健康管理アプリ。独自のアルゴリズム・AIによって、食事画像を認識してカロリー計算、栄養バランスの評価を行う。また、スマホ内蔵の歩数計やウェアラブルデバイスともデータ連携し、運動量も自動的に取得する。企業・健保の従業員や、自治体の市民、スポーツクラブの会員、保険加入者を対象に、現在6,000人以上の自治体・民間企業が導入している。
「モニタリング・リサーチサービス」では、「カロママプラス」アプリを介し、完全オンラインによる臨床試験の実施を可能にした。また、全ての工程をオンライン化することで、通常の臨床支援より安価な費用で提供できる。さらに、モニターの商品購入後の健康状態の把握、改善効果を評価することや、臨床試験をプロモーションや学術成果として活用することが可能。「カロママ プラス」と連携することで、健康意識の高い幅広い年齢層のモニターを活用し、オンライン臨床試験の運営から成果取得までトータルでサポートしている。
健康食品事業の海外展開をサポート シリーズセミナーを通じて情報発信
同社は今年1月から、㈱グローバルニュートリショングループ(東京都豊島区、武田猛社長)、CPCC㈱の3社共同で、海外展開を考える企業に対して、戦略を組み立てる上で必須のレギュレーションと科学的根拠に焦点を当て、「健康食品事業の海外展開に向けて~レギュレーションのポイントを押さえた食品研究とは~」をテーマにしたシリーズセミナーを実施している。毎回、約300人が参加している。先月、第5回「レギュレーション~EU編①~とストレス、冷え、不眠を例に機能性(有効性)評価の進め方」をテーマに開催した。
【藤田 勇一】
『ウェルネスマンスリーレポート』2023年6月10日号(第60号)より転載
<COMPANY INFORMATION>
所在地:東京都中央区銀座6-2-1Daiwa銀座ビル3F(本社)
TEL:03-6704-5968
URL:https://imeqrd.co.jp/
事業内容:医薬品、食品・ヘルスケア商品の開発支援
〇2023年機能性表示食品特集 関連記事
:エビデンスの質、その判断基準(前編)
:エビデンスの質、その判断基準(後編)
:インデナのケルセチン、次の機能性表示は?
:睡眠ケアのベネトロン、新領域へ 常磐植物化学研究所、ヒト試験を新たに
:抗疲労成分SAC普及、備前化成の本気度 デジタル広告などで消費者認知向上図る
:生んだ2素材、どれも制度対応 リコム、キノコ素材で腸内環境から体重減少まで
:γ-オリザノール含有こめ油の届出を支援 オリザ油化、柱事業の成長図る
:<オピニオン> 浮き彫りになった問題を整理すべき 関西福祉科学大学・竹田竜嗣准教授
:ユニアル 23年6月期、3期連続2ケタ増へ クマ笹由来乳酸菌でIgA抗体量増加確認
:ユニキスの原料展開、国内外で好調 「ルテマックス」を提案
:機能性表示食品制度を評価しますか? 118社に聞く 公平性・透明性を求める声多く
:始まった9年目の制度運用 届出6,000件超えて次の山は
:プラセボ対照試験の光と影 無処置対照試験は影を消せるか
:睡眠ケア=翌日の認知機能サポート ケミンが新製品「デイリーズー」
:フコース、体重管理と便通改善の2大機能 焼津水産化学「今期最も期待」
:<オピニオン>エビデンスの質、改めて向き合う必要 GNG・武田猛氏
:<オピニオン>低レベルの研究レビューを採用しないこと 健康栄養評価センター 柿野賢一氏
:<オピニオン>エビデンスの強さ、どう伝える? 食品機能研究所 勝田徹氏
:シー・アクト、ペンタデシルを機能性表示対応素材に まずは肌、次いで血糖値
:丸善製薬のHMPA、サプリからスープまで 初登場から短期間で積み上がる届出
:試験内容が高度化し費用も高騰 CROの課題と展望、提案力・サービス内容で差別化が進む
:KSO、パイロット試験から大型案件まで 早い・親切丁寧・高レベルをモットーに24年
:植物由来の筋力ケア素材、拡販目指す ニップン、1日当たり摂取量を従来の半分量へ
:総医研、抗疲労分野で業界トップクラス 400超のヒト試験で得たノウハウ
:ヒューマ、幅広い試験ニーズに対応 高難易度、新分野の試験受託も可能に