ニップン届出支援、保湿から筋肉まで 【機能性表示食品特集】今後、ストレスケアも
ヘルスケア事業部を通じて健康食品のBtoB事業(原材料販売)を展開する製粉大手の㈱ニップン(東京都千代田区)。機能性表示食品対応素材も複数品目、取り揃える。対応素材は全て、植物に由来するもの。筋肉に対する機能を訴求できる素材もあり、天然物を軸にした商品設計を行いたい販売会社にとっては無視できない存在だ。次は、ストレスケアを訴求できる植物由来素材を提供できるようにしたい考え。
筋肉訴求のマスリン酸 今後、「筋力」も追加へ
現在、同社が届出サポートと共に販売している機能性表示食品対応素材は「ニップンセラミド」(機能性関与成分:米由来グルコシルセラミド/グルコシルセラミド)、「アマニ油」(同:α-リノレン酸)、「オリーブ果実マスリン酸」(同:マスリン酸)──の3素材。
それぞれ現時点で可能なヘルスクレームを見ると、ニップンセラミドは、研究レビュー(SR)に基づき、肌のバリア機能(保湿力)を高めることが報告されている旨。アマニ油は、同じくSRで、悪玉(LDL)コレステロール値を低下させる機能があることが報告されている旨、また、血圧が高めの人に適した機能がある旨も。そして筋肉に対する働きを訴求できるのがオリーブ果実マスリン酸だ。具体的には次のとおり。
「マスリン酸は筋肉に軽い負荷がかかる日常的な運動と併用することで、加齢によって衰える筋肉量を維持する機能があることが報告されています」。
このヘルスクレームは今後、拡充される見通し。改めて臨床試験(RCT)が行われた結果、握力(筋力)の変化量について、プラセボ群との比較で有意な増加が確認されたためだ。実際に拡充されるのはもうしばらく先になるが、「日常的な運動と併用で年齢と共に低下する筋肉および筋力を維持」といったダブルヘルスクレームが行えるようになる可能性がある。
加えて、この新たなRCTでは、従来よりも少ない摂取量で有効性が発現される可能性のあることが分かった。既存の届出でマスリン酸の1日当たり必要摂取量は「60mg」として届け出されているが、新たなRCTの結果、その半分量の「30mg」でも筋力に対する有効性が示されたという。
「(マスリン酸として)1日あたり60mgという摂取量が、コストの面から課題になっていた。30mgでも届出が可能になれば、ユーザーが大きく広がると思う」と同社ヘルスケア事業部の担当者は話す。
ローズマリーエキス、次の機能性表示対応素材へ
一方、前掲の3素材とは別に、「機能性表示を見据えた検討を行っている」と同社ヘルスケア事業部担当者が話す素材がある。同社として新素材になる「ローズマリーエキス」だ。
同社が新たに開発、このほど販売を開始したローズマリーエキスは、ロスマリン酸(2.5%以上)をはじめカルノシン酸およびカルノソール(合わせて4.0%以上)を規格したもの。機能性に関しては、パイロット試験(ヒトを対象にした予備臨床試験)でストレス軽減機能のあることが示唆されており、同社では現在、同機能を訴求する機能性表示食品対応素材としてローズマリーエキスを展開していく道筋を検討している。
(冒頭の画像:ローズマリーエキスのヒト予備試験の結果。LF/HF比とは、交感神経(LF)と副交感神経(HF)のバランスを表す指標。数値が大きい場合は交感神経優位(ストレス状態)を、小さい場合は副交感神経優位(リラックス状態)を示す。ニップン提供資料から)
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