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キャンセル料に関する情報提供不可欠 第2回「解約料の実態に関する研究会」開催

 消費者庁は15日、第2回「解約料の実態に関する研究会」を開催した。同研究会では、解約料の実態がどのようなものなのか、また、解約料の実態を踏まえた望ましいルールの在り方は何なのかなどについて、慶応義塾大学法学部の丸山絵美子教授を座長に計5人の委員が議論する。

 第2回の今回は、「解約料の支払いに対する消費者意識」について意見交換を行った。同研究会の開催に先立ち同庁消費者制度化が実施した「キャンセル料に関する消費者の意識調査」の結果について分析を行った同研究会の委員であり、消費者の行動を心理学の立場から研究している有賀敦紀教授(中央大学文学部心理学専攻)が解説した。

 同調査は、キャンセル料の支払いに対する消費者の意識調査を通して、消費者がどのような場合にキャンセル料を支払うことに不満を感じるのか、あるいは感じないのかを探索的に調べることを目的として実施された。調査方法は、2023年7月15日から26日の期間、同庁が㈱ロイヤリティマーケティングに委託し、オンラインで実施された。
 調査は2段階で実施。まず調査Aとして、「キャンセル料の支払いに関する意識・実態調査」を、過去1年間に事業者との契約でキャンセル料の発生する時期にキャンセルしたことがある全国の20歳以上の男女を対象に実施。2,000人の回答が回収された。その後、調査B「キャンセル料の支払いに関する仮想事例に基づく意識調査」として、調査Aに参加していない全国の20歳以上の男女を対象として実施。5,000人の回答が回収された。

 調査のまとめとして有賀氏は、「情報提供が不十分であると、消費者はキャンセル料の支払いに対して不満を感じる(特にオンラインや分割・定額払いの場合)。また、消費者がキャンセル料の有無・多寡(いわゆる価格差別における選択肢)を選択できる時キャンセル料を意識する傾向は強くなり、かつ自身の選択に不満を帰属させることで不満は低減される可能性がある」とした。

 また、同調査を踏まえて有賀氏は、「現実的にはさまざまな目的(損害補填、キャンセル率抑制、価格差別、利益目的など)に応じて設定されたキャンセル料があるが、言語的には全て『キャンセル料/解約料』となっており、法律における狭義のキャンセル料と社会での広義のキャンセル料にずれがある」として、キャンセル料(解約料)の定義の曖昧さを指摘。また、消費者が想定外のキャンセルに対して感じる不満をいかに低減するかについて、「キャンセル料についての効果的な情報提供、契約・購入時に消費者がキャンセルを意識するような工夫が必要。消費者の認知特性を考慮した制度設計など、事業者と消費者のミスコミュニケーションをいかに防ぐかが課題」と話した。

【藤田 勇一】

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関連資料(消費者庁ホームページより)

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