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カプセルめぐる見解 各地に事務連絡 厚労省、奈良県への回答を情報提供 検疫所にも

 ハードカプセル大手のクオリカプス㈱(奈良県大和郡山市)が製造販売した健康食品(サプリメント)用ハードカプセルの製造過程で、食品添加物の目的外使用(離型剤成分としての使用)が行われていた問題をめぐり、厚生労働省医薬・生活衛生局食品監視安全課は9日、同省として初の見解を都道府県などに示した。

 同省食品監視安全課は9日、クオリカプスを管轄する奈良県からの照会に回答するかたちで、内容物を充填した当該カプセルの取り扱いについて、健康上の危害が生じるおそれは「極めて低い」と考えられることを理由に回収や廃棄などの行政措置を執る必要はないとする同県の見解を容認する考えを、課長通知の形式で示した(10日既報)。

 同課はまた、都道府県や保健所設置市などの衛生主管部に向け、奈良県からの照会内容と、それに対する同課の回答を「情報提供」する事務連絡を9日付で発出し、周知。同課は先月11日以降、取材に対し、当該カプセルのうち内容物充填済みのカプセルについて、「保健所によって回答がばらつくことのないように対応したい」と繰り返し述べていた。

 さらに、各検疫所に充てた事務連絡も発出し、離型剤成分として流動パラフィン、または二酸化チタンを使用して製造されたハードカプセルに内容物を充填した食品、主に健康食品(サプリメント)の輸入届出が行われた場合、同日以前に製造されたものに限り、規制などの措置は講じる必要はないとする方針を周知した。

 ただし、その場合でも、輸入者に対し、流動パラフィンなどを製造時に使用しないハードカプセルに切り替えるなど、食品衛生法に適合する原材料への見直しを指導するよう求めた。

 流動パラフィンと二酸化チタンについて日本では、食品添加物としての使用を許可している。だが、健康食品用ハードカプセルの離型剤成分として使用することは、食品添加物の目的外使用に該当し、食品衛生法第7条第2項に違反すると考えられる。一方で、両食品添加物は、医薬品用ハードカプセルにおいては離型剤成分としての使用が認められている。

 クオリカプスでは、6月22日、食品添加物の目的外使用を行っていた健康食品用ゼラチンカプセルおよび植物性(HPMC)カプセルの自主回収を公表。自主回収の対象は、同社を管轄する奈良県大和郡山保健所の指導も踏まえ、内容物を充填してない「空カプセル」に限定し、内容物充填済みカプセルについては自主回収の対象外にしていた。だが、同社からカプセルを調達し、サプリメントを製造する各地のメーカーが管轄の保健所に見解を求めたところ、大和郡山保健所とは異なる見解を示唆される場合などがあり、混乱が生じていた。

【石川 太郎】

関連記事:クオリカプスのハードカプセルめぐり厚労省が見解 奈良県の照会に回答

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