検討会の報告書公表
消費者庁「報告書案とほぼ同じ」方向性変わらず
消費者庁は15日、悪質なアフィリエイト広告の排除を目的に昨年6月に設置された有識者会議「アフィリエイト広告検討会」の報告書を公表した。1月28日に開かれた6回目の検討会で案が示されていたが、「報告書案と中身はほぼ同じ。6回の検討会の議論をまとめたもので、方向性に大きな変わりはない」(消費者庁)としている。
報告書では、アフィリエイト広告をめぐる責任が「広告主」にあることが明確に示された。広告主が利用するアフィリエイト広告で不当表示があった場合、広告主が景品表示法第5条(不当な表示の禁止)の「表示をし」たとみなされる。つまり違反行為を行ったとみなされる。この「責任」には、当該商品・サービス性能・効果といった景品表示法第7条2項(措置命令)の不実証広告の記載に関するものも含まれる。
検討会ではこれまで、アフィリエイト広告については広告を仲介するASPやアフィリエイターにも責任を負わせるべきとの意見があった。
広告主側の言い分としては、「指示をした広告内容を超えてアフィリエイターが勝手に広告内容に手を加える場合も考えられる。そのような場合にまで広告主が全ての責任を負うのは妥当ではないと」という主張だ。
しかし報告書では、アフィリエイト広告そのものが問題のある広告手法ではない。ASPやアフィリエイターに対して広告主同様に規制すると、多くの誠実な事業者に対する委縮効果を招き、悪質なアフィリエイト広告の排除という目的を超えてアフィリエイト広告市場全体の縮小を招きかねないとして、ASPやアフィリエイターに対する規制は見送る格好となった。
また、「(有識者会議では)法改正に結び付く提言は頂いていないと理解している」(消費者庁)とし、今回、景品表示法の改正は見送られた。
消費者庁は、夏頃をめどに景品表示法第26条「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置」に基づき、アフィリエイト広告版の指針作りを行う。
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