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「HMPA」の届出拡大に力を入れる 【機能性表示食品特集】丸善製薬、 届出サポートめぐる動き

 2020年度と21年度に公開された機能性表示食品の届出件数は累計で約2,500件超。そのうち約1割に相当する約260件が、特定の原材料メーカーが提供する植物由来の機能性関与成分を届け出ている。広島県を製造・研究開発拠点とする丸善製薬㈱(広島県尾道市、日暮泰広代表)だ。研究開発から営業まで全社体制で最終商品販売会社に対する届出サポートを展開。機能性表示食品の普及に少なからぬ役割を果たしていると言える。同社として最新の機能性表示食品対応素材「アクティボディ(同社登録商標)RB」の拡販を通じ、機能性表示食品の一層の普及に弾みを付けたい考え。

最新の対応素材は米ぬか発酵抽出物

 ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン、ヒハツ由来ピペリン類、パイナップル由来グルコシルセラミド──いずれも丸善製薬が届出サポートとともに供給している機能性関与成分だ。他にも、イチョウ葉由来フラボノイド配糖体および同テルペンラクトン、エリオジクチオール-6-C-グルコシド(ルイボス抽出物に含まれる機能性関与成分)がある。

 ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンの届出件数は、8月24日時点で累計197件と200件が目前。脂肪を消費しやすくする、BMIが高めの人の腹部の脂肪を減らす、中高年の歩く力の維持──といった3つのヘルスクレームが可能だ。

 ヒハツ由来ピペリン類も伸びており、同日時点で81件。当初、可能なヘルスクレームは「(手の)冷えケア」のみだったが、「(一過性の)脚のむくみケア」が追加されたことで業界の注目度が上昇。届出件数が跳ね上がった。20年度と21年度に届出された約260件の同社製機能性関与成分の過半数をブラックジンジャーとヒハツで占める。

 その中で丸善製薬が22年度、届出件数の拡大にとりわけ力を入れているのが、同社として6つ目の最新機能性表示食品対応素材「アクティボディRB」だ。届出の第1弾が公表されたのは今年3月。その後、現在までに2種類のヘルスクレームを行えるようにした。

 アクティボディRBは、同社の独自発酵技術で生産する米ぬか発酵物。含有量などを規格化したポリフェノール類の一種、「3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸」、略称「HMPA」が機能性関与成分となる。

 これまでに公表されたHMPAのヘルスクレームを見ると、まず、「BMIが高めの方の腹部の脂肪を減らす機能が報告されています」(一部抜粋)。次いで第2弾として、「食後血糖値が高めの方の食後に上昇する血糖値を元に戻しやすくするのをサポートする機能が報告されています」(同)が先月公開された。

新・ヘルスクレーム 「血糖値を元に戻しやすく」

 第2弾ヘルスクレームに盛り込まれた「食後に上昇する血糖値を元に戻しやすくする」の文言が注目される。従来、食後血糖値領域の機能性表示食品のヘルスクレームは、その上昇を「抑える」や「おだやかにする」などと表現されてきた。一方、HMPAは「元に戻しやすくする」。直接的に表現すると、食後に上昇する血糖値を「低減させる」になるだろう。

 こうした新たな表現が行われた背景には、表示の科学的根拠とされた研究レビューでの採択論文がある。この論文では、HMPA(アクティボディ)が食後血糖値に及ぼす機能のメカニズムについて、糖の吸収阻害ではなく、糖代謝そのものを改善させる可能性を報告。この論文の臨床試験(RCT)では、4週間継続摂取した後の検査当日、試験食品を摂取しない状態で、食後血糖値への影響を評価した。こうした評価を行った目的には、MPAおよびアクティボディの糖代謝改善機能を検証することがあったという。

 丸善製薬によると、HMPAはポリフェノールの「活性本体」の1つ。食事などを通じて体内に取り込まれたポリフェノールの腸内細菌代謝産物の1つがHMPAだ。ポリフェノールは体内に吸収されにくい化合物であることが知られるが、「あらかじめHMPAの形で摂取することで、腸内環境の個人差にかかわらず、ポリフェノールが持つ様ざまな機能性が効率よく発揮される可能性がある」としている。

(冒頭の画像:HMPAの届出第1弾となった『アクティボディ顆粒』の表示見本。届出者は丸善製薬。消費者庁の届出情報公開DBから)

関連記事:新機軸のポリフェノール素材 HMPAとは何か 
    :酪酸菌+HMPA ニコリオがRCTで届出

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