CENTRIC、高品質な応対でEC事業者を支援 ヘルスケア関連業務の拡大を目指す
コンタクトセンターの運営、コンサルティングなどを行うCENTRIC㈱(山田亮社長)は、「最もお客様を大切にするコールセンターを作りたい」という思いから、人とシステムに大きな投資を行う。センター運用を支える「人」への投資としては、オペレーターまで含めた全体の正社員採用比率を60%以上に設定し、独自の採用基準と独自の教育、研修で定着率と業務習熟速度の向上を実現している。
「人」と「システム」への投資を重視
同社は2009年に、コンタクトセンターコンサルティング事業からスタートした。「心豊かな社会の実現」というミッションの下、業務の企画・設計から運用まで、ワンストップサービスをさまざまな企業に提供している。
17年に開設した熊本支店(熊本市中央区)が同社の支店の中では最も大きく、座席数は170席、在籍するオペレーターは全部で約230人。18年に開設した和歌山支店(和歌山市)は、もともと65席だったが、昨年10月、一層のサービス品質強化を行い、より多くのクライアントの期待に応えるため、設備をこれまでの倍の規模に拡張し、働く従業員満足度向上を図り、リフレッシュスルーム、研修室などの拡張を行う為に移転をした。現在は、100席、在籍オペレーター数は約80人となっている。
また、元々、コンタクトセンターのコンサル事業を行うために開設し、特定のクライアントのインハウス業務を100席規模で受託している沖縄支店(沖縄県浦添市)に、22年に自社のセンターを開設。現在、20席、約30人が在籍するセンターとなっている。
高い応対品質を提供、一貫支援にも着手
同社のコンタクトセンターは、業界では珍しく正社員雇用比率が約60%。また、顧客応対に合わせてカスタマイズ可能なCRM(顧客管理システム)を導入し、クライアントパートナーとして事業に貢献することを目指している。さらに、グループ会社のESジャパン㈱(同)では、人の感情を音声から解析する音声感情解析システムを開発販売しており、同社コンタクトセンターにも熊本支店の立ち上げ時からシステムを導入している。顧客感情だけでなく、社内の離職リスクのある社員を特定する解析も行い、顧客応対時の声をマーケティングに活用、顧客体験を向上させるなど、さまざまな分野での応用が可能と考える。
最近は、通販事業への新規参入や新商品のプロモーションを仕掛けたい事業者との新規商談が増えており、中でも、育毛剤に代表される薄毛対策商材、その他コンプレックス商材を取り扱う事業者からの問い合わせが増加しているという。注文の受付にとどまらず、受注処理や配送手続き、購入者へのフォロー、クロスセルの案内などクライアントのニーズに合わせた支援を行っている。また、印刷会社や物流会社との協業にも注力しており、担当者は「DM印刷や配送業務などのサービスを提供することで、これまでに培った高い応対品質プラス一貫支援で通販事業者を支えたい」と話す。
コロナ関連で自治体業務を支援、応対品質の高さが評価
同社では、コロナ禍でひっ迫した保健所業務の支援に奮闘した。熊本県と熊本市からは、コロナ感染による自宅療養者向けフォローアップ業務の公募があり同社が受託。第5波以降、自宅療養者へのフォローが行き届かなくなる状態を改善する為、SMSによる連絡も活用するなど業務改善を図った。こうしたコロナに関連した業務を複数の自治体から依頼され、同社の高い応対品質で対応した。
今後は、ヘルスケア関連業務も拡大したいと考えており、往診サポートやオンライン診療を手がける企業の業務受託や複数の協会けんぽ業務を新たに受託した。コロナ関連業務をきっかけに看護師の雇用や協力企業との医師の活用など、この2年間で同社の業務範囲が拡大したことを実感したとしている。
【藤田勇一】
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所在地:東京都豊島区池袋2-50-9 第3共立ビル5F(本社)
TEL:03-6912-5164
問合せ:https://centric.co.jp/ec/#contact
URL: https://centric.co.jp
事業内容:コールセンター運営事業、感情解析サービス開発研究、販売事業など
『ウェルネスマンスリーレポート』2023年10月号(第64号)より転載
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