88件中85件が撤回申し出る 機能性表示食品、措置命令の余波
機能性表示食品の広告表示と届出表示をめぐるさくらフォレスト㈱(福岡市中央区)に対する6月30日の措置命令。それに端を発して消費者庁が先月3日着手した機能性表示食品88件の科学的根拠確認の結果、22日までに撤回の申出が85件に上ることになった。うち37件については実際に撤回されたという。同庁が24日、確認結果に関する公表情報を更新した。
前回の情報更新は今月17日。その後1週間足らずで撤回の申出が5件増えた。同庁によると、先月27日時点での撤回申出は15件。ほかの73件は「科学的根拠がある等の主張」を行っていたとされる。流れは88件全ての撤回へ完全に傾いた。
「科学的根拠があると主張」と消費者庁が説明している届出は3件、届出者数としては2社まで減った。同庁の公表情報によると、DHA・EPAについて三生医薬㈱(静岡県富士市)、オリーブ由来ヒドロキシチロソールについて東洋カプセル㈱(静岡県富士宮市)が22日時点で撤回を申し出ていない。いずれもサプリメント・健康食品の受託製造企業で、最終製品販売を本業にしない先が最後まで残るかたちになった。
ただ、両社とも、撤回の意向を持つ。関係者は、「消費者庁に抵抗しているわけではない」と話す。科学的根拠に疑義があるとして合理的な回答を求めた同庁に対して提出した回答について、同庁がどう判断したのか。回答を待っている。
【石川太郎】
(冒頭の画像:消費者庁が24日、ホームページ上で新たに公開した確認結果概要のキャプチャ)
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