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措置命令の対象商品含む3件取り下げ 【機能性表示食品届出更新】さくらフォレスト、今年5月に変更届

 消費者庁は3日、機能性表示食品の届出情報公開データベースを更新した。更新したのは、既届出の取り下げに関する情報のみ。販売終了を理由に、『きなり匠』や『きなり極』などサプリメント3商品の届出を、さくらフォレスト㈱(福岡市中央区)が取り下げた。

 取り下げは先月30日付。この日に同社は、同2商品の表示などをめぐり、消費者庁から景品表示法に基づく措置命令を受けた。『きなり匠』について自社ウェブサイトで行っていた表示に届出表示からの逸脱があったほか、両商品について容器包装などに表示していた届出表示(ヘルスクレーム)には合理的根拠がないなどとして、不当表示(優良誤認表示)の違反を問われた。

 同社は今年5月10日と同11日、取り下げた3商品について変更届を行っていた。主な変更点は表示見本。『きなり匠』では、商品パッケージ正面に記載した「中性脂肪 LDLコレステロール 血圧が気になる方へ」のキャッチコピーを、「日本の懐かしい食生活。あの頃の献立は、栄養の宝庫でした」に変更するなどしていた。

 消費者庁によれば、景表法違反の調査に要する平均的日数は、端緒把握から措置命令までが約320日。そのため、同社が変更届を行った5月上旬は、調査の終盤に近い時期と考えられる。その中でも変更届を行ったということは、遅くともその時期まで販売継続を諦めていなかったと考えられる。届出表示の科学的根拠が不十分だとする同庁からの指摘に、反論していた可能性もある。

 同社に対する措置命令に対しては、機能性表示食品の届出に関わる事業者から疑問の声が上がる。「届出は事業者責任」の原則論に終始する同庁食品表示企画課に対しても、「そうであれば、届出資料に対する入念な事前チェックは今すぐにやめるべきだ。資料の提出を受けたらすぐに公開し、後は事後規制に委ねてくれた方がよほどスッキリする」(研究レビューの作成も手がける原材料事業者)と激しい不満の声も聞かれる。

 また、表示対策課が説明する、科学的根拠が不十分だとする理由に首を傾げる向きもある。

 『きなり匠』の機能性関与成分の1つ、モノグルコシルヘスペリジンについて行われていた血圧低下のヘルスクレームの科学的根拠が不十分だとする理由について同課では、同社が提出した根拠資料は「減塩醤油と同成分を併用した場合の血圧低下機能を検証したものだった」とした上で、「提出された根拠資料では、当該成分を単独で使用した場合の(血圧低下)効果を裏付けるものとは認められない」としている。

 だが、同社が届け出たSRを見ると、採用された3報の論文は、モノグルコシルヘスペリジンを含む減塩醤油の摂取が正常高血圧に及ぼす効果を、同成分を含まない減塩醤油を摂取した群と比較したもの。「対照群も減塩醤油を摂取した上で、試験食群の血圧が低下していたのであれば、それはモノグルコシルヘスペリジン単独による効果と言って良いのではないか」と届出の経験が豊富な最終製品販売事業者は話す。

 さくらフォレストも同じように考えていた可能性がある。景表法調査の最中とみられる今年2月10日、『きなり匠a』という製品を届け出ているためだ(6月30日付で取り下げ)。

 これは、モノグルヘスペリジンのみを機能性関与成分としたもので、届出表示はSRに基づく血圧低下機能。採用した文献は『きなり匠』のSRと同じ3報だった。この届出資料の提出を受けた同庁食品表示企画課は、翌3月31日付で届出公開している。

【石川太郎】

(冒頭の画像:措置命令の対象商品ではないが届出が取り下げられた「きなり匠a」の変更後表示見本。消費者庁の届出情報公開DBから)

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