なりすまし詐欺広告対策を強化 7府省庁、SNS大手5社に要請
消費者庁はこのほど、警察庁、金融庁、デジタル庁、総務省、法務省、経済産業省と合同で、SNSなどを提供する大規模事業者5社に対し、なりすまし詐欺広告への対策強化を文書で要請した。これは、ディープフェイクを使い、著名人の肖像や音声を無断利用した詐欺広告などが広く流通し、SNS型投資詐欺などの被害が拡大していることを受けた措置。
要請先は、Google LLC、LINEヤフー㈱、Meta Platforms, Inc.、TikTok Pte. Ltd.、X Corp.の5社。7府省庁は、なりすまし詐欺広告について、消費者・利用者に財産上の被害をもたらすだけでなく、なりすまされた人の社会的信頼を著しく損なう恐れがあるとしている。
広告主の本人確認を徹底
要請では、広告主への本人確認の確実な実施、広告の透明性向上、削除要請への対応の徹底の3点を柱に据えた。
広告主の本人確認では、電子的な認証手段の活用を含め、本人確認を確実に実施するよう要請。個人の本人確認手段の1つとしてマイナンバーカード、法人では商業登記電子証明書を挙げた。各社に対し、具体的な本人確認の方法などを10月16日までにデジタル庁へ報告するよう求めている。
さらに、10月1日から2027年2月28日までに実施した本人確認について、手段別、国内外別の実施件数・割合や、本人確認の不備を理由に広告掲載を却下した件数・割合などを、2027年3月16日までに報告するよう求めた。
生成AI利用の広告も明示へ
広告の透明性については、消費者が広告主や広告の信頼性を自ら確認できるようにすることを求めた。広告主の名称や所在地、身元確認の有無に加え、広告であることや、主に生成AI技術を用いて作成された広告であること、広告が表示された理由などを確認できるようにすることを要請している。
具体的な取り組みは10月16日までに報告し、10月1日~2027年2月28日までの実施結果についても、広告上に表示した情報の内容や件数、割合などを27年3月16日までに報告するよう求めた。
違法の恐れある広告、迅速な削除求める
削除対応では、刑法や金融商品取引法などに違反する恐れのあるなりすまし詐欺広告について、インターネット・ホットラインセンターや法令所管省庁などから削除要請を受けた場合、遅滞なく判断し、迅速かつ適切に削除などを行うよう要請した。
各社には、広告審査基準などでなりすまし詐欺広告をどのように扱っているかについても、10月16日までの報告を求めた。さらに、削除した広告について、削除理由や削除に至った契機ごとの件数、行政機関などからの削除要請に対する削除割合、平均対応時間、未削除となった理由などを2027年3月16日までに報告するよう求めている。
警察庁の25年の確定値によると、SNS型投資詐欺の当初接触手段のうち、バナーなどの広告で使われたツールはYouTubeが27.1%と最も高く、Instagram16.3%、TikTok10.4%、Facebook6.5%、LINE4.8%、X2.1%だった。
今回の要請は行政指導に当たり、行政処分ではない。
【編集部】
公表資料はこちら(消費者庁HPより)

