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原口議員、ワクチン疑惑の追及緩めず 基金不正流用問題、川内議員が関連質問

 「べらぼうな基金の使い方をやっていると思う」
 2月28日午前、立憲民主党・原口一博衆議院議員は国会で開かれた「財務金融委員会」で、コロナワクチン基金の使途不明の疑いについて質疑した。
 前日27日に行われた「予算委員会第五分科会」でも同氏が指摘した、7,852億円に上るワクチン生産体制等緊急整備基金の不適切な使用のあり方について、さらに踏み込んだ。原口議員の厳しい追及に、一時、仁木博文厚生労働副大臣が答弁に窮したことで、速記が中断する一幕もあった。
 原口議員に続いて質疑に立った同党・川内博史議員は、あらかじめ質問通告を行っていなかったものの、原口氏の質疑を受けるかたちで基金に関する関連質問を行った。

 冒頭、原口議員は基金シートの趣旨について加藤財務大臣に答弁を求め、その後、基金シートに「接種」という文言があるかどうかを仁木厚労副大臣に質した。
 「過去も含めて書いてある」という同大臣の言葉に対し、原口議員は「答弁を間違えましたね。どこにも書いてない」と厳しい言葉で応じた。答弁者の周辺がにわかにざわつき、速記が止められる事態に至った。

 約40秒後、再び仁木氏が答弁。「申し訳ないですが、今の私の発言は今回の事業に関してはあるということでございますが、過去の基金シートについては今調べておきますので、またお願いします」と説明した。
 「ちょっと許しがたい」原口議員は、第五分科会でも度重なった問取りミスを取り上げ、「適当に聞いているからこうなるんだ」と忌々しげに言った。「これ肝(きも)ですからね。今、財務大臣がおっしゃったじゃないですか。基金をちゃんとチェックできるかどうかと。その中に入っているか入っていないかも知らないで、あなた方は提案しているのか?」

 これに先立ち、「基金シートは何のためにあるのか?」原口議員の問いに対して加藤財務大臣は、「行政事業レビューの基金シートは、例年9月に公表されている。毎年の予算編成過程において、シートには執行の状況、アウトカム、外部有識者の所見などいろんな記載があるが、それらを参考に基金の必要性を議論している」と答えていた。

 基金シートに、「接種」という言葉は1つも入っていない。原口議員は強い口調で言った。
 すると、「今、再度チェックしまして、この成果目標の中にはですね、希望する全ての国民が接種という、受けることができる量の新型コロナワクチンを確保するという文言はあります」(成果目標)という副大臣に対して、「ダメだ」と投げやりに言う原口議員。
 原口議員「目的のところで聞いている。では“地方”という言葉が入っているか?」
 副大臣「ないです」

 原口議員は、「基金はあくまで生産体制に関するもの」と主張。この基金を地方の摂取の助成金に使っている。これは国会議員として怒らなきゃいけない。本来だったら、補正予算を出し直して、この基金は1回、財務大臣がおっしゃったように国庫に戻して、新たに別の基金を作るなら作ってもいいけれども、それをやらなければならない。(でなければ)これは基金スキームの流用ではないか? 基金シートは何のためやっているのか。こうやって目的外に使ったり、野放図なことをやってはいけない」と、半ばあきれ顔で副大臣をたしなめる場面が、この後も見受けられた。

 これに対して副大臣は「お答えします」と食い下がった。
 「予防接種事業そのものが、国が策定した政策を基に、そして予算も確保しながら、接種主体は自治体、地方でして、今回の事業に関しましても、新型コロナはワクチン定期接種の自治体助成事業は、国民の保健衛生の向上に寄与するという基金の要綱等の事業目的の範囲内で実施しているものと理解している」
 「副大臣、大丈夫ですか?」原口議員が皮肉を込めて言った。「そんな認識? 驚いた」続けて、「今あなた(厚労副大臣)が言ったことを1,000歩下がって、万歩下がって本当だとしても、652億ぐらいしかかからない。ところが、何をやったかというと、各メーカーが今までの3,260円ではやれないと、だから4倍にしてくれないかと、一昨年の冬に言った。そして2024年3月15日、つまり1年ぐらい前に、私たちにはこの下のスキームで予算をこれでいいかと言いながら、自治体にはこの基金スキームを変えて、実はメーカーが4倍ぐらいのお金が必要だと言っているから、1本当たり8,300円増やしますよとやっている。こんな国会無視がありますか? とんでもないことだと思う」と憤慨した。

 原口議員はこの後、きのうの委員会でも指摘したワクチンメーカーによるカルテルの疑い、それには関与していないと言う厚労省の疑惑、5類に移行しているコロナにおける重症化予防対策の是非、コロナに対するアメリカをはじめとした世界における対応の変化――などについて語った。この日、これまで公表不可とされてきたファイザーの価格も、日本円152円換算で1万2,352円と明らかにされた。

 同氏は、昨年の死亡統計161万人と出生数72万人の差に言及し、「謎の大量死」の原因究明を厚労省に求めたところ、副大臣は通常の統計発表を待つと回答するにとどめた。

 続いて質疑に立った同党の川内博史議員は、原口議員の質疑を受けるかたちで関連質問を行った。
 「そもそも予算の目的は『新型コロナウイルスワクチン等生産体制緊急整備臨時特例交付金
だった。新型コロナウイルスワクチン等の“等”は、生産体制の前についていた」というのである。新型コロナウイルスワクチンなどの生産体制をしっかりするための基金を造成するための目的が、予算が通った後に、厚労省に行くとワクチン生産体制の後ろに“等”を持ってきて、何にでも使えるように変えた。財務省も「別にいいんじゃないですか。公衆衛生のためになるのであれば」と認めたというのだ。

 川内氏は、「その目(もく)の作り方は、新型コロナウイルスワクチン等、“等”はワクチンの後ろに付いていたが、それが厚労省の予算が国会で議決されて、あるいは予備費が閣議決定されて、国会に報告されて厚労省に行った後、“等”が生産体制の後ろに変わった。そこは財務省として、1度検証する必要がある。これが許されるなら、さっき厚労副大臣が言ったが、公衆衛生のためだったら何でも使えますという基金になってしまう」と指摘した。
 加藤財務相は、「目と基金の名前がイコールでなければならないということはたぶんないと思うが、私にはこれ以上の事実関係は分からないので、事実関係を確認する」と答えた。

 川内氏は最後にこう付け加えた。
 「新型コロナウイルスワクチン等の生産体制のための基金として、新型コロナウイルスのワクチンを生産するために使われてたわけです。ところが令和6年(2024年)に5類になってから、基金の自主運営要領を変えているのです。地方にもお金を流せる基金の運営要領を変えるに当たって、実施要項は変わってない。運営要領を変えて、地方自治体にもお金を流せるようにした。そしてワクチンの値段を上げた。この枠組みになっているのだが、これはお金の使われ方として国会にも説明されないし、おそらく内閣にも、各議員にも説明していない。誰にも説明しないで厚労省が勝手に基金の使われ方を、実施要領変えてやっている。私はちょっとお金の使われ方としても問題が多いと思う。(財務大臣が)事実関係をまず確認すると言ったので、その上でまた議論したいと思う」

 きょう3月3日午後2時から、Meiji Seikaファルマ㈱(東京都中央区、小林大吉郎社長)が原口議員を提訴した裁判の1回目の口頭弁論が東京地方裁判所で開かれる。

 原口議員の質疑、やり取りの概要はこちらから・・・(つづきは会員専用記事閲覧ページへ、残り約8,700文字)

【田代 宏】

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