筋肉ケアの新規関与成分になる? レモンマートル由来カスアリニン、筋サテライト細胞を活性化
機能性表示食品の機能性関与成分として、レモンマートル由来カスアリニンという新規素材の届出準備が進んでいることが27日までに分かった。科学的根拠を踏まえて想定されている機能性表示は、筋肉量を増やす働きを訴求する内容とみられる。作用メカニズムについては、骨格筋の形成に必要とされる幹細胞の一種、筋サテライト細胞を刺激し活性化させる機能を持つことが、細胞試験や動物試験で確認されているという。開発したのは、機能性関与成分として還元型コエンザイムQ10の原材料供給などを行う素材メーカーの㈱カネカ(東京都港区)。
同社は今週、報道関係者向けのセミナーを都内で開催。運動生理学などを専門とする、町田修一・順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科教授(医学博士)が登壇し、超高齢社会におけるサルコペニアの重要性と筋肉の仕組みなどを解説しつつ、自身も関わった、レジスタンス運動とレモンマートル由来カスアリニンの併用にともなう筋肉量の増加促進機能を検証したヒト試験の概要を伝えた。同成分には、筋力トレーニングの効果を促進させる働きを持つ可能性があるという。
レモンマートルは、フトモモ科バクホウシア属の植物。カネカによると、カスアリニンはポリフェノールの一種で、レモンマートルの葉から得る同成分を一定量含む新規素材を開発した。安全性については、遺伝毒性試験などの非臨床試験のほか、5倍量4週間過剰摂取試験も含む臨床試験の両面から確認しているという。還元型コエンザイムQ10などと同様、今後、機能性を持つ食品素材として原材料供給していく方針。
【石川太郎】
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