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科学的根拠に求められるものとは エビデンスセミナー開催、今後オンデマンド配信へ

 ㈱ウェルネスニュースグループは20日、機能性表示食品の「6・30措置命令」をテーマにしたエビデンスセミナーをオンラインで開催した。講師を務めた竹田竜嗣・関西福祉科学大学准教授と唐木英明・東京大学名誉教授が計約2時間半にわたり熱弁を振るい、措置命令の背景の1つとなった科学的根拠をめぐる課題や、そうした課題を解消するための手段などについて、それぞれ専門家の視点からの見解を示すとともに、今後に向けた処方せんを提示した。

 この日のセミナーは、「科学者・研究者からみた6・30措置命令 これからの機能性表示食品の届出はこうなる」と題してオンラインで開催した。機能性食品や医薬品の臨床研究やシステマティックレビュー(SR)にも携わる農芸化学分野研究者の竹田氏は、今回の措置命令で消費者庁表示対策課が問題視した届出表示(ヘルスクレーム)の科学的根拠のどこに不十分性があったのかについて、科学的根拠として届け出されたSRや、それに採用された論文を紐解きながら考察しつつ分かりやすく解説。SRの内容にまで踏み込んだ今回の措置命令は「業界に衝撃を与えた」と指摘した上で、「届出ガイドラインに明確な基準がない中で(表示対策課は科学的根拠に)かなり踏み込んでいる」とする分析を示した。

 一方、薬理学者の立場から今回の措置命令を論じた上で、機能性表示食品の科学的根拠のレベルを高めていくための方策を提言したのが唐木氏。論文用量と製品用量の関係、有効論文と無効論文が複数あった場合の有効と判断する基準、食品に対してプラセボ対照試験が事実上義務付けられていることの是非、あいまいである有効性等に関する判断基準──といった4つの視点から、薬理学者から見た6・30措置命令と、機能性表示食品制度自体が抱える課題を論じ、具体的な処方せんを提示した。また、措置命令の余波を受けた関連届出88件の全てが撤回申出に至る見通しであることについて「(なぜ)消費者庁と議論しないのか」と問題提起し、業界団体と消費者庁が対等に協議していく必要があると強く訴えた。

 竹田氏も、機能性表示食品の届出をめぐる今後の変化を予測しつつ、処方せんを示した。SRについて今後求められるPRISMA声明2020準拠に対する見解も語った。唐木氏は、処方せんの1つとして、有効性が明らかな機能性関与成分について規格基準の導入を提言。それによって届出の簡略化をはじめ製品用量の規格化、ヘルスクレームの規格化などが可能になることから、一般消費者、事業者、消費者庁の「win/win/win関係」を構築できるとした。

 ウェルネスニュースグループは、オンデマンド配信を通じてこの日のセミナーの全体を視聴できるようにする。現在、配信用の編集作業を進めており、配信開始日などの詳細は後日、ウェルネスデイリーニュース上で伝える。料金は、ウェルネスニュースグループ会員(WNG会員)8,000円(税込)、一般1万5,000円(税込)。20日のライブ配信参加者は無料で視聴できるようにする。

関連記事:唐木氏、消費者庁に2つの要望 「用量適合範囲の明確化」と「プラセボ対照以外の試験法容認」

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