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特商法改正要望全国連絡会に300人 2016年改正法の5年後見直しに向け「3つの獲得目標」掲げる

7日、「全国連絡会結成式」開催

 特商法の抜本的改正を求める全国連絡会(東京都千代田区)は7日、主婦会館(東京都千代田区)会議室で結成式を行った。Zoomウェビナーとのハイブリッド開催を実施し、全国で300人を超える関係者が視聴した。特商法および景表法の執行に携わる消費者庁の真渕博審議官、消費者問題について意見表明を行う消費者委員会の後藤巻則委員長も出席し祝辞を述べた。

 同連絡会は、2016年の特商法改正時に附則第6条で規定された5年後見直し規定「施行後5年を経過した場合において、この法律による改正後の特定商取引に関する法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」に基づき、抜本的な改正の実現を目指して結成された。16年改正法の施行が17年、今年12月に5年目を迎える。

 連絡会は結成式で、①不招請勧誘規則の強化、②SNS等のインターネット通販への規定整備、③マルチ商法規制の強化――という3つの獲得目標を打ち出した。不招請勧誘については、一般に分かりやすい言葉として「およびでない勧誘」という新語を考案し、広く消費者に周知するとした。

池本弁護士が「5年後見直し」の課題を説明

 記念講演では、適格消費者団体(特非)埼玉消費者被害をなくす会理事長の池本誠司弁護士が、「特商法対象分野における消費者被害の実情と特商法の課題」と題して講演。5年後見直しへの対策と課題を説明した。
 同氏は、16年改正法について、「電話勧誘販売に過量販売解除権を導入」、「事前承諾のないFAX広告送信禁止」、「法人役員に対する業務禁止命令」、「契約代金の支払いのため借り入れに同行等の禁止」、「美容医療サービスを特定継続的役務提供に追加」などの成果を紹介する一方、見送りとなった「事前拒否者に対する訪問・電話勧誘の禁止」を課題として取り上げた。
 あらかじめ「訪問販売お断りステッカー、Do Not Call,Do Not Knock」を玄関に貼り出すことにより、訪問者に法令違反を科すというものだが、産業界の強い反対に見舞われて不成立となった。
 しかし、「事前に拒否した場合には、それ以上勧誘してはいけない」とし、「執行の強化、再勧誘禁止を遵守させるとともに業界による自主規制の強化を促す。高齢者の被害が多発した場合、諸外国の取り組みも参考にして勧誘規制の強化について検討する」との付帯決議が盛り込まれている。
そこで池本氏は海外のデータを引用し、「Do Not Call,Do Not Knock」は多数の国で導入されている。国内でも、96%の消費者が「必要ない。来てほしくない」というアンケート調査があるとし、「事前に拒否の意思表明をした消費者宅に訪問・電話をすることは禁止すべき」と主張した。

 ただし、「訪問販売や飛び込み勧誘禁止には、一律に全部禁止するという最も強い意味での不招請勧誘の規制と、少なくとも拒否の意思表明をしている人については勧誘を始めてはならないという2種類ある。今回、私たちが求めているのは、事前に拒否の意思表明をした場合には、いくら何でも訪問は回避すべきと言っている」と、柔軟な姿勢も示した。その課題として、健全な訪問販売業への配慮、高齢者世帯・乳幼児を抱える世帯への食材・夕食宅版、民主政治の基盤となる新聞宅配制度の維持に向けて消費者と事業者が共に考えていく必要があると説明。金額の上限基準、あるいは登録制度を設けている事業者への配慮など、どこかで線引きを設ける「適用除外制度」の検討も必要ではないかと提案した。さらに、これらの実現に向けてマスメディアや議員の賛同を求めた。

 連絡会では今後、各団体からの意見書を発出し、全国連絡会への加入を呼びかける。また、関係団体と連携し各地でシンポジウムを開催。また、地方議会への請願・署名・アンケートへの協力などを求めていく。

【田代 宏】

(冒頭の画像:7日当日、池本弁護士のレジュメより)

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