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ルール改善へ、第2回食品表示懇談会開催 海外との整合性、品目ごとの表示ルールの見直し必要

 消費者庁は24日、第2回「令和5年度食品表示懇談会」を都内で開催した。同懇談会は食品衛生基準行政が来年度より厚労省から消費者庁に移管されることを踏まえ、中長期的な食品表示の羅針盤を作成する目的で開催。10月の第1回開催では、消費者団体や業界事業者などから構成された委員により、今後急速に普及するとされるQRコードなどから食品の成分を読み取るデジタルツールの導入をはじめ、現行制度下における課題などが話し合われた。

「食品表示に消費者目線を」(森田満樹氏)

 第2回目となる今回、コーデックス規格や諸外国の表示制度とわが国の制度の比較、個別品目ごとの表示ルールを主な議題とし、意見が交わされた。
 「今後の食品表示が目指す方向性に消費者視点を」と提言した(一社)Food Communication Compass代表の森田満樹委員は、原料原産地表示の「又は表示」、「製造地表示」、遺伝子組換え食品表示の「分別生産流通管理済み」などを例に、「消費者にとっては言葉の意味が実に分かりづらい、表示を拡大すると小さな文字となって見にくい、などの声もある」と指摘。その上で、「消費者庁では毎年、消費者意向調査が行われているので、それを踏まえた消費者目線を今後の方向性に盛り込んでほしい」と語った。
 さらに国際規格との整合性を図る方向性には賛意を示しつつ「各論においては整合が難しい点もある」とし、添加物の表示についても「できるだけ消費者にとって分かりやすい形式が望まれる」とした。

健康に直接関与する成分表示の見直し、来年以降へ

 また議論の中では、アレルゲン成分を含む食品では食品表示基準で8品目を指定する日本と、EUやアメリカ、中国などの諸外国との違いが大きいとして見直しが必要との意見も出たが、これら原材料や添加物などで健康に直接関与する事項については来年度以降の議題に持ち越しとなった。

個別品目の表示ルールも分かりやすく

 個別品目ごとの表示ルールについては、旧JAS法から十分な議論が行われないまま現在に移行している品目も多数あり、消費者・事業者の各視点から見て合理性に欠けるものについては見直しの方向性が示された。
 例えば、同じ製品であっても製品形態によって使用できる「名称」が異なる。マカロニ類だと、「乾麵」か「生」か「冷凍」かによって表示が異なる。
 また、同じ原材料を用いた製品でも容器包装によって異なる場合もある。和風味のミートソースの場合、遮光性のあるレトルトパウチ包装では「ミートソース」だが、遮光性のない透明パウチ包装だと「和風パスタソース」と表示する。
 さらにギョーザの場合など、保存温度、流通形態によって原材料名の表示方法が変わるものもある。冷凍ぎょうざは、「皮以外の原材料」と「皮」の重量を比較し重量順に表示するが、チルドぎょうざは食肉・魚肉・野菜・つなぎ・皮・その他のもの重量を比較して重量順に表示する。
 チルドと冷凍の定義の違いにも言及。冷凍食品ではマイナス18度℃以下の低温を保つことと定められている。一方、チルド食品では0度からマイナス5度℃の温度帯を指すとされるが、法的な規制はない。これについても見直しが必要との意見が出た。

次回会合は2024年1月30日

 活発な議論が行われた今回の懇談会だが、制度改正の大枠については今後、コーデックスや諸外国の規格を取り入れていく方向性におおむね賛同が得られた。次回の会合は来年1月30日に開催し、個別品目ごとのルールの議論を深める。また、営業強化目的で使用した添加物の表示における事業者への影響等に関する調査結果の報告も予定されている。

【堂上 昌幸】

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