消費者庁、届出事前確認の仕組み構築へ
今夏めどに体制など整備 23年3月までに運用開始めざす
公表実績あるもの対象に民間団体で事前確認
消費者庁が機能性表示食品について民間団体による「届出事前確認」の仕組みを構築することにした。「届出事前確認に関する連絡協議会」を設置し、(一社)健康食品産業協議会や(公社)日本通信販売協会など関係団体と意見交換を進める。初回は今月7日に開催。今夏を目途に届出事前確認に必要な体制や手順書などの案を取りまとめ、一定の期間、試行運用を行った上で、2023年3月までの運用開始をめざす。同庁が2日、明らかにした。
民間団体などが事前確認を行う体制を整備することで、届出確認業務の合理化や円滑化を図りたい考え。同庁では、「届出件数が増加している。状況を踏まえると、届出確認に要する期間が長期化するおそれ」があるとし、今後の届出確認業務に対する不安を示している。
届出事前確認の仕組みの構築に向けて関係団体と検討を進める。そのために連絡協議会を立ち上げた。健康食品産業協議会、日本通信販売協会の他、現在、届出事前確認を行っている(公財)日本健康・栄養食品協会、NPO法人日本抗加齢協会の計4団体と、事前確認の体制や手順などについて検討を進める。
新たな機能性表示などは従来通り消費者庁で確認
消費者庁としては、「公表実績のある機能性表示食品」を届出事前確認の対象範囲とし、事前確認を経た届出については、最終的に同庁での届出確認期間を「ゼロ日」まで短縮させる考え。事前確認の仕組みの運用が始まった後も、届出の「公表・管理」は同庁で実施する。新規の機能性表示(ヘルスクレーム)の届出に関しても、従来通り同庁で確認するという。
また、事前確認を行う団体については、公平性・公正性、信頼性・専門性、継続性、制度発展への寄与を「担保」できる先を指定したい考え。複数の団体を通じて事前確認の仕組みを運用していく考えも示している。
事前確認を経ずに同庁に直接届け出ることも可能とする。ただ、同庁では、「確認には一定の期間を要する」として、事前確認を経ない届出は確認期間が長期化する可能性を示唆している。事前確認の仕組みを事業者が受け入れるかどうか。「料金」が最大の焦点になりそうだ。
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