東洋新薬、研究開発力を強化~原料販売と物流事業を拡充(前)
同社は、健康食品・化粧品業界を支えるODEM(ODM&OEM)メーカー。「世界の人々の健康と美への期待に、価値で応えていく」をミッションとしている。製品、サポート、エビデンスなどのあらゆるシーンで究極の価値である「HIGH-END VALUE」を目指す。クライアントのニーズに応じた幅広い剤型やヘルスクレームの健康食品・特定保健用食品(トクホ)・機能性表示食品、化粧品・医薬部外品をスピーディーに提案し製造する。素材開発から商品開発、販売促進支援までの一貫したトータルサポートを行う。各事業の現状と今後の展望について髙垣欣也副社長に話を聞いた。
<今期の業績も好調を維持>
――コロナ禍で迎える決算となりました。今期の総括をお願いします。
髙垣 当社も、他社同様リピートでいただける予定だった案件や、新規で進めていた案件がストップするなど、コロナの影響を受けました。製造においても、国内だけでなく海外からの原料や資材の調達が滞ってしまうなどの混乱もありました。そうしたなかでも、逆に業績を伸ばしたクライアントや商品も多く、おかげさまで当社の業績も増収増益で着地しました。
――海外の状況についてもう少し詳しく教えてください。
髙垣 海外の営業活動については、往来もできませんし完全に止まりました。調達につきましては、ロックダウン下ではどうしようもありませんでしたが、代替品や代替地からの調達で、何とか致命的な影響はなく回すことができました。当社が、もともと海外依存度が高くなかったというのも幸いしたのだと思います。また、現在は少しずつ再開できそうな雰囲気になってきました。コロナ禍においても、新規に開拓できた案件は少ないながらもありますので、今後に期待したいところです。国内需要もまだ十分に余地はあると思いますが、将来的に見ても海外は重要な案件ですから、緊張感を維持した上で取り組んでいきたいと思っています。
――原料販売の現状と今後の展望についてお聞かせください。
髙垣 4月に原料営業部を開設しました。従来の製造受託に加え、当社独自原料の販売にも注力しています。当社で受託できない案件に関しては、原料を提供するという方針です。これまでの健康食品だけでなく、一般食品にも広げていきます。加工食品などに機能性原料を配合することで新たな商品価値を生み出し、新たな市場の開拓やニーズの掘り起こしにつながればと思っております。取引先も大手食品メーカーが大半ですので、長いスパンで一緒に取り組んでいきます。
――クライアントからのニーズが多いということですか。
髙垣 決して販売をしていなかったというわけではないのですが、受託製造が主体でした。おかげさまで市場でも広く知っていただくようになり、原料を使いたいというニーズがありましたので専用の部門を作ったということです。加工食品と健康食品の展開による相乗効果を期待しています。もちろん、原料を使った受託製造には引き続き注力していきます。
<COMPANY INFORMATION>
所在地:福岡県福岡市博多区博多駅前2-19-27九勧博多駅前ビル(本社)
佐賀県鳥栖市弥生が丘7-28(本部・鳥栖工場)
TEL:0942-81-3555(本部)
FAX:0942-81-3554(本部)
URL:https://www.toyoshinyaku.co.jp
事業内容:健康食品・化粧品・医薬品・医薬部外品の受託製造
(冒頭の写真:髙垣欣也副社長、記事中の写真:インテリジェンスパーク)
【聞き手・文:藤田 勇一】
(つづく)