日本分析センター、サプリメントのアンチ・ドーピング情報公開サイトを開設
<現時点で唯一の情報公開サイト>
(公財)日本分析センター(JCAC、加藤康宏会長)は24日、サプリメントの生産施設審査の結果と、ドーピング禁止物質の分析結果を参照できる情報公開サイト「アンチ・ドーピングのためのスポーツサプリメント製品情報公開サイト」(https://www.sports-supplement-reference.jp)の運用を開始したと発表した。
同サイトは、(公財)日本アンチ・ドーピング機構(JADA)に委嘱された有識者会議が策定した「スポーツにおけるサプリメントの製品情報公開の枠組みに関するガイドライン」(JADAガイドライン)に対応した現時点で唯一の情報公開サイト。愛称は「Sports Supplement Reference(スポーツサプリメント リファレンス)」としている。
同サイトでは、JADAガイドラインに適合したサプリメント製品の情報をパソコンやスマートフォンなどを通じて、誰でも検索が可能。サプリメント製品の情報として、(1)製品の生産施設審査の結果、(2)ドーピング禁止物質の製品分析の結果を掲載する。
掲載の流れを見ると、まず、掲載を希望するサプリメント製造企業が、生産施設審査の結果と製品分析の結果をJCACへ提出。JCACが設置する「サプリメント製品情報公開に係る確認会」でJADAガイドラインへの適合性を確認し、同サイトへ掲載する。
JCACでは、これらの活動を通じて、スポーツにおけるドーピング防止活動に貢献するとしている。
<解説>
2019年4月、JADAは「スポーツにおけるサプリメントの製品情報公開の枠組みに関するガイドライン」を公表した。生産施設工場の審査結果と製品分析結果を公表することで、アスリートがサプリメントを使用する際、ドーピングリスクが低い製品の選択に役立てるのが狙いだ。
アスリートがドーピング違反のリスクを最小限に抑えるためには、本来、(1)禁止物質について分析した製造ロットの番号が公開されている当該ロットの商品を選ぶ、(2)グローバルスタンダードのcGMP認証工場で製造された商品を選ぶ(日本の健康食品GMP認証のなかには不十分なケースがある)――が重要と指摘されている。
アンチ・ドーピングの認証マークだけで商品を選択した場合、認証マークが付いている商品であっても、その商品の製造ロットが分析されていないケースも珍しくない。従って、認証マーク付き商品というだけで選択するとリスクが高まる可能性もある。
今回開設された情報公開サイトの活用時には、そうした視点も併せて商品選択することが、アスリートにとって重要となりそうだ。
(写真:同サイトのロゴマーク)