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新日本製薬㈱代表取締役社長・後藤孝洋氏インタビュー(後)

持株会が育てた「自分事」化する社員たち

――社員の皆さんに変化はありませんでしたか。

後藤 オーナー系の会社というのは、社員が会社の株式を持つことはなかなかないわけですけれども、上場前から「持株会」というのがありまして、約8割強の社員が当社の株式を持っています。会社の成長や会社の業績というものが自分自身の資産や財産に影響があることが実感できると、社員も自分事としてこの会社をよりよい方向にというふうに考えてくれる1つの形ができた気がします。
 上場することによって社員が積み立てた株式を、「自分の趣味に使いたいので株式を売却する」とか、「車を買い換える」とか、「何かを学びに行くんだ」とか、いろいろな選択肢に使えるようになったことが、それを見ていて、私もなんだか嬉しく思いますね。

――外から拝見していても、ニュースリリースの数が増えたのはもちろん、その出し方も変わりましたし、私なども記事を書きやすくなりました。見える化ですね。新日本製薬さんの活動がよく分かるようになりました。
後藤 そう言っていただくと、当社のIR担当者も喜ぶと思います。

――コロナ禍の最中、売上的にご苦労もおありだったのではないですか?
後藤 おかげさまで通信販売が割合的に多くを占める関係上、会社全体としては売上に大きな影響はありませんでした。ただ、部分的にとらえると、バラエティショップやGMSの化粧品コーナーなどでは当然、客足が遠のくわけですから影響が出ましたし、打ち手も限られていました。渡航制限がある海外も同様です。そのなかでも比較的中国などは早期に回復しましたし、台湾も比較的、防疫がしっかり行われていたことで感染者が広がりませんでしたから、それぞれの国が置かれた状況下でやることをしっかりやったということでしょう。

時差出勤・車出勤、なかには自転車通勤も

――会社の運営面ではいかがでしたか?

後藤 当社はサブスクリプション型の定期購入で、お客様に決まった日に商品をお届けするとお約束している以上、物流やコールセンターを完全にクローズするというわけにはいきません。そこで福岡という特性を生かすことで乗り切ることにしました。

――具体的には。

後藤 ローテーションでの出勤や、時差出勤は当たり前ですが、福岡という地の利を生かして自家用車出勤など、公共機関を使わずに出退勤する選択肢を広げる工夫をしました。そのうち自転車で通勤する社員も増えました。
 各人がそういうふうに自然に通勤環境を変えるなどの工夫をし、感染拡大しないように努める意識が社員のなかに自然に芽生えていったようです。どこも同じだと思いますが、これを継続することが一番の苦労なのかもしれませんね。

人の健康に貢献する価値 生活必需品に見出す

――コロナ禍で得たもの、今後の展望についてお聞かせください。

後藤 新日本製薬という会社である以上は、やはり人の健康が第一のミッションです。健康美容にしっかりと貢献できたうえで、売上高というのは、結局、貢献高のように映る部分があると思います。商品を利用される多くの方々がいて、また利用が広がることによって、人々の健康への貢献につながっていくわけですから、多くの人々に貢献できるということは成長している証だと思うのです。
 コロナによって健康に関する意識が高まっていることはいうまでもないと思いますが、、通信販売の利用も促進されてきました。これは、通販業界とか業者だけが潤うというわけではなく、それ以外の関係者も参入をせざるを得ない環境のなかから、さまざまな業種業態が通信販売に取り組み始めたという意味で、これからは流通が大きく変わっていくだろうと思います。
 そういう流れのなかで、ヘルス&ビューティの領域で私たちが存在感をいかに出せるかということがこれから問われることだと思います。
 一方ですね、こういうコロナが起こって、改めて感じたことがあるのですが、生活必需品の価値、こういった環境の中だからこそ、できるだけ無駄なもの、贅沢なものは控えて、生活に必要なものだけを確実に利用していく傾向があると思います。そういった生活必需品の中に私たちの健康食品や化粧品が加わっているということを改めて強く感じましたし、総合的な日用品のなかで、健康に寄与できるような形づくりをこれからはやっていきたいと思います。生活に直結するような製品をヘルス&ビューティーの領域で生み出していき、新たなライフスタイルの提案を拡大できればと考えています。

――ありがとうございました。

(了)

【聞き手・文:田代 宏】

<COMPANY INFORMATION>
所在地:福岡市中央区大手門1-4-7(本社)
    東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング16F (東京オフィス)
TEL:092-720-5800
URL:https://corporate.shinnihonseiyaku.co.jp/
事業内容:化粧品・健康食品・医薬品の企画、販売

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