指定成分等含有食品制度、1日からスタート(前)
<健康被害情報の届出を義務化>
健康被害の防止に特別な注意が必要な成分(指定成分等)に着目した厚生労働省の「指定成分等含有食品制度」が1日、スタートする。5月末までに製造された食品については、従来の対応も認める。
同制度は、プエラリア・ミリフィカを含む健康食品で多数の健康被害を出した問題を機に検討され、食品衛生法の改正によって導入された。事業者に対し、指定成分等含有食品による健康被害情報の届出と、健康食品GMPに準拠した製造・加工基準の順守を義務づけた。
指定成分等は「コレウス・フォルスコリー」、「ドオウレン」、「プエラリア・ミリフィカ」、「ブラックコホシュ」。別称で流通する場合も対象となる。プエラリア・ミリフィカは「白ガウクルア」、ブラックコホシュは「ラケモサ」などの名称でも流通している。
この4成分を含む食品によって健康被害が出た場合、事業者に対し、都道府県への健康被害情報の届出を義務づけた。都道府県は、届け出された情報を国へ報告する。一方、医療機関による情報提供は、努力義務にとどめた。
事業者には、健康被害情報を消費者から受け付け、都道府県へ届け出る体制の整備が求められる。届出情報は多岐にわたる。健康被害情報の取得日、製品名、指定成分等の含有量は必須。被害者の性別・年齢・症状、受診先の医療機関名、診断結果、服用していた医薬品名については、被害者が情報提供を拒否するなど、情報の取得が困難な場合、記載しなくてもよい。
届出の対象は、6月1日以降に収集した健康被害情報。症状の重さに関わらず、因果関係が不明なものも届け出る。また、指定成分等含有食品による健康被害に関する国内外の研究報告も、届出の対象となる。一方、医師の診断により、因果関係が否定されたケースなどは対象外としている。
(つづく)