1. HOME
  2. 一般食品
  3. 夢実耕望とインシップ、『いちょう葉エキス』めぐり裁判

夢実耕望とインシップ、『いちょう葉エキス』めぐり裁判

<国産原料ではなく、中国産原料を使用>

受託製造企業の(株)夢実耕望(岩手県二戸市)と健康食品販売会社の(株)インシップ(千葉県浦安市)の間で、機能性表示食品『いちょう葉エキス』などの使用原料をめぐる問題で裁判が続いている。東京地裁は今年(2019年)11月14日、第6回口頭弁論を開いた。次回の裁判までに夢実耕望が準備書面を提出し、反論することとなった。

これまでの主な流れを見る。インシップは2003年から、夢実耕望に健康食品の製造を委託。『いちょう葉エキス』は国産原料を使用している旨を情報開示していたが、昨年4月、製品の多くで低価格の中国産原料が使用されていたことが判明。これを機に、両社間で賠償請求や取引停止の申し入れといった動きが見られた。

その後、一時は和解の方向となったものの、使用原料をめぐる問題が再燃。まず、夢実耕望が昨年12月7日、インシップを相手取った訴訟を起こした。夢実耕望は同製品の製造受託で、原材料の種類や配合割合に関する合意は存在するが、原材料のメーカーや商品(名)に関する合意はなかったと主張。インシップに対して債務が存在しないことの確認などを求めている。

一方、インシップは19年7月5日、夢実耕望を相手取って反訴。夢実耕望が使用原料を偽装していたと主張し、製品購入者への返金、取引停止に伴う損害などの損害賠償金を請求した。また訴状で、機能性表示食品の届出撤回を余儀なくされた旨も述べている。

<訴状のポイント:夢実耕望の主な主張>

夢実耕望の訴状によると、『いちょう葉エキス』について、インシップは昨年4月、「合意内容に違反する原材料を使用して商品を製造している」と主張し、損害賠償金を支払う旨の合意書の作成を要求した。

しかし、原材料のメーカーや商品(名)に関する合意はなかったという。両者間の信頼関係が欠如していると判断し、夢実耕望は18年8月21日納品予定の商品を最後に、取引を終了すると予告。インシップは同8月2日、千葉地裁に継続的供給等仮処分を申し立て、今年3月まで従来通りの条件で受注することで和解した。

ところが、昨年11月14日までに納品した製品について、インシップは「合意内容に違反する原料を使用して商品を製造している」などの理由で、製品の大部分の受領を拒否したとしている。

夢実耕望では、取引開始当初から海外産の主原料を使用し、製造指示書と作業記録書に記載していた。インシップが主張する債務不履行や不法行為は全く存在しないと主張し、債務が存在しないことの確認などを求めた。

<訴状のポイント:インシップの主な主張>

インシップの訴状によると、昨年4月、『いちょう葉エキス』の原料供給会社から、製品の販売数量から換算した原料の量と、受注した原料の販売量が大きく異なるという連絡が入った。

夢実耕望の関係者を呼び出して確認すると、原料偽装を認めたという。製品を製造する際に、指定した原料のみを使用するという合意に違反し、中国産原料を使用していたことがわかったと説明している。

昨年7月、夢実耕望が一方的に取引停止を通知し、その後、取引を停止させた。取引停止に関する和解は、国産のイチョウ葉エキスを使用せずに製造してインシップに販売したことについて、債務不履行責任を負う旨が認められるといった裁判所の見解が示された上で成立したという。

インシップは今年7月5日、夢実耕望を提訴。一方的な取引停止や、開示情報と異なる原産地の原料を使用した製品の販売に伴う購入者への返金などで損害を受けたと主張し、損害賠償を請求した。

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ