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外国産ワカメを「鳴門産」と偽装 
静岡県警、静岡市の食品加工会社を摘発

 静岡中央署と静岡県警生活保安課は15日、外国産ワカメを徳島県「鳴門産」と偽って販売していたとして、食品表示法違反と不正競争防止法違反の疑いで、静岡市の食品加工業者ら3人を逮捕した。

 逮捕されたのは静岡市の食品加工会社「黒汐の華」の社長、小川重英容疑者(80)と息子で取締役の小川良容疑者(36)、パート従業員で工場の責任者、小林和子容疑者(70)の3人。

 静岡県警によると、3人は昨年11月、静岡市駿河区の工場で、中国産のワカメを鳴門産と誤認させる表示の商品をつくり、販売した疑いがもたれている。産地を偽装したワカメは、県内外の複数の都道府県に流通し、スーパーなどで販売されていたという。

 今回の事件は、食品表示法と不正競争防止法に基づき、いきなり静岡県警による逮捕となった。産地表示違反であれば食品表示法17条違反「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金」、あるいは改善指示違反「1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金」だが、不正競争防止法違反だと「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」と刑罰は重くなる。

 元食品表示Gメンの中村啓一氏は「悪質な産地偽装には、不正競争防止法が適用される」と言う。

 静岡県警は取材に対し、「昨年7月ごろ、静岡県と静岡市から情報提供があり捜査を開始した」と回答。一方、静岡県の担当者は「本件に関して、詳しいことはお話できない」とノーコメントだった。

 鳴門わかめの表示偽装については、2008年に大がかりな偽装問題が起きたことから徳島県は14年から「徳島県鳴門わかめ認証制度」を実施している。
 「適正な食品表示」と「トレーサビリティ(加工履歴管理)」を備えた加工業者を、徳島県が認定し、認定シールを発行することで安全・安心な「鳴門わかめ」を求める消費者の信頼に応えるための制度。認定申請の後、県による書類審査や現地調査が行われ、最終的に基準に適合している場合は、県より認定書が交付される。


 認証制度実施後は、「県内では表示偽装は起きていない」(徳島県)と話している。

【藤田 勇一】

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