地球環境・労働・雇用・地域活性を重視 【SDGsと健康食品産業】ミリオナ化粧品、北海道美唄市と連携した新工場を建設
㈱ミリオナ化粧品(阪本雅哉社長)は、大阪に本社を構える1992年に創業した化粧品受託企業。効果・効能の表記が可能な医薬部外品のOEMに注力。90アイテム以上の汎用処方を持つ。化粧品と健康食品を合わせた新たな内外美容商品『コスメ・サプリメント』の提案も強化。適正な広告表現が可能な製品の供給と、アフターコロナの購買増大に期待して増産体制の準備が進む。
医薬部外品をOEM提供、90アイテムを超える
同社は“医薬部外品のミリオナ”と呼ばれるほど、医薬部外品のOEMを強化してきた。現在、医薬部外品のラインアップは90アイテム以上。ナイアシンアミドを主剤としたシワ対策クリーム、トラネキサム酸、プラセンタ、グリチルリチン酸、ビタミンCなどを主剤とした薬用美白クリーム、塩酸ジフェンヒドラミン、センブリ、グリチルリチン酸などを主剤とした薬用育毛剤、指定医薬部外品の殺菌ハンドジェル、殺菌ハンドスプレーなどを筆頭に、さまざまな医薬部外品をクライアント企業のOEM商品に活用している。
研究開発にも注力しており、OEM・ODM企業としてさらなるブランド化を推進。さらにスキンケアのほか、トイレタリーやヘアケア、メイクアップなどへ展開を広げ、高圧乳化技術による独自のリポソーム原料の製造など、オリジナルの化粧品処方や技術、原料の開発にも注力している。
医薬部外品、化粧品と機能性表示食品を組み合わせた新たな内外美容商品『コスメ・サプリメント』の開発・提案も進めており、機能性表示食品として届出が9件公表されている。
北海道に進出、地元自治体との連携
同社は現在、北海道美唄市に新工場を建設している。稼働は年内の予定。同工場では、豪雪地帯である同地域の雪解け水から化粧品用の水を製造する。同市が進める「空知団地の雪解け水を活用した新規事業」の取り組みによって実現した。現在、岡山で製造しているスティックゼリー用の水への使用も検討している。
また同工場では、夏場の冷房に雪の冷気を使用するなど、環境への配慮も重視。さらに、同じく同団地に建設される予定のサーバー管理会社と連携し、サーバー熱を冬の暖房として活用する計画だ。
阪本社長は、「豪雪地帯にとって、雪が厄介な存在で、時には災害を引き起こすものであることは間違いないが、うまく利用(利雪)することで資産にもなる。当社ができることは決して大きくはないが、SDGsに取り組む同市の取り組みに賛同するとともに、環境負荷低減、地域の活性化に貢献したい」と話す。
同時に同社では、同敷地内に雪解け水を使用した化粧品を製造する工場の建設を行う。今年10月に着工し、来年秋ごろの稼働を予定している。美唄市と連携し、『北海道空知地域の雪解け水(仮称)』として水をブランド化し、化粧品のイメージ戦略として活用する計画だ。まだ計画段階ではあるものの、既存クライアントからの反応は良く、あわせて、北海道地域の新規開拓にも積極的に取り組むとしている。
ラシェル製薬と連携、企画・開発から製造まで一貫したサポート
同社の関連企業であるラシェル製薬㈱では、健康・美容茶、サプリメント、化粧品に関する豊富な知識と実績をもとに、企画提案・生産・物流に至るまで、一貫したサポート体制を構築している。クライアントのニーズに合わせて、小ロットから大ロットまで自社工場で高品質な製品を提供する。生産体制は、健康・美容茶部門は、スタンドパック、三方シール分包など用途に合わせた分包が可能。サプリメント部門は、顆粒、錠剤、ハードカプセル、ソフトカプセルの剤型に対応。粉末、顆粒は、三方シール分包、スティック分包など用途に合わせた分包が可能。また、徹底した生産管理、品質管理を行っており、GMP基準に基づいた厳正な管理のもと、安定品質の供給を実践している。
昨年12月に、岡山工場(岡山県新見市)に新設した「スティックゼリーライン」が本格稼働した。これまで、充填包装の工場として稼働していた同工場としては初の調合機械。長年培われてきた食品分包充填技術と、多くのゲル化処方開発経験を基に、内面、外面の美と健康を提供する。
【藤田勇一】
『ウェルネスマンスリーレポート』2023年9月10日号(第63号)より転載
<COMPANY INFORMATION>
所在地:大阪市北区梅田1-2-2-200(本社)
TEL:06-6147-3367
URL: https://milliona.jp/
事業内容:化粧品と医薬部外品のOEM/受託製造など
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