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国センADRの結果概要、サプリメントによる健康被害 300万円支払いで和解

(独)国民生活センターは18日、消費者トラブルについて和解の仲介や仲裁を行う「国民生活センターADR(裁判外紛争解決手続)」の結果概要を公表した。今年度(4~7月)に申請された案件は合計68件。そのうち和解が成立したのが47件、不成立が13件などとなっている。

 公表された結果概要には、健康食品による健康被害に関する紛争、パワーストーンなどの次々販売に関する紛争、布団などの次々販売に関する紛争、歯科治療契約の解約に関する紛争などがある。

 健康食品による健康被害に関する紛争では、申請者(消費者)が足のむくみが気になるため、2016年6月にインターネット通販で定期購入したサプリメントと、摂取後に発症した健康被害の因果関係が焦点となった。

 申請者はサプリメントを摂取したが、足のむくみは軽減せず、7月上旬頃に食欲不振、吐き気、黄疸の症状が発症。緊急入院し、サプリメントが原因の薬剤性肝機能障害と診断された。1カ月半後に退院したが、11月下旬に再入院し、17年2月に職場復帰。通院や服薬に多額の費用が必要となり、また同年5月には自己免疫性肝炎で特定医療費受給者認定を受けた。

 DLST検査の結果、使用したサプリメントに陽性反応が認められたことから、申請者は、サプリメントの摂取によって薬剤性肝機能障害と自己免疫性肝炎を発症したことは明らかと主張。サプリメントの製造・販売会社に対し、約4,200万円の支払いを求めた。

 仲介委員は、サプリメントの一部の原料に、肝機能障害を引き起こす恐れがある「成分A」が含まれていると言われているため、サプリメントによる薬剤性肝機能障害の可能性は捨て切れないと指摘。製造・販売会社に対し、公的分析機関に調査を依頼するように求めた。

 サプリメントと一部の原料を調査した結果、どちらも成分Aは検出限界値以下で、含まれていたとしても極めて微量であることが判明した。次に、申請者が残っていたサプリメントについて、別の公的分析機関に成分分析を依頼。その結果、成分Aは検出されなかったが、「成分A類」が検出された。

 これらの結果や提出された証拠を踏まえ、仲介委員は、因果関係があるとする申請人の主張には相当程度の合理性が認められることや、被害救済の必要性が高いことなどを説明。薬剤性肝機能障害については因果関係が仮にあることを前提として、治療費の実費と入通院慰謝料相当額を基準に300万円の和解金を支払うという和解勧告書を両者に送付。両者ともに和解勧告書に従うと回答し、和解が成立した。

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