厚労省、食薬区分改正を通知 ビンポセチンを専ら医に新規収載
厚生労働省は17日、「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示」(食薬区分)の一部改正を都道府県に通知した。化学物質のビンポセチン(Vinpocetine)を、専ら医リスト(専ら医薬品として使用される成分本質リスト)に新規収載する改正を行った。同省が今年1月11日付で公表した改正案をそのまま反映させたかたち。今月9日まで募集したパブリックコメントには1件の意見が寄せられ、その内容は、「使用について注意が必要」だとして専ら医リスト収載に賛成するものだったという。
大阪府、「BBX」から検出を公表
同じ日、大阪府が、インターネット上で販売されていた『BBX』と称する健康食品2製品からビンポセチンなどの医薬品成分が検出されたと発表している。いずれも輸入品とみられる。発表によると、2022年度の健康食品買い上げ調査で分かったもので、ビンポセチンのほか医療用医薬品成分のセンノシドAおよび同Bも検出された。両製品はダイエット効果がうたわれていた。府は、販売会社名なども公表。今後、販売会社を所管する自治体が医薬品医療機器等法に基づき対応する予定という。
ビンポセチンは、米国では脳機能などに対する働きを訴求するサプリメントに利用されている一方で、厚労省によると、欧州では医薬品として使用している。日本でも、医療用医薬品(脳循環改善薬)に使われていた過去がある。また日本では2019年1月以降、いわゆる「スマートドラッグ」として規制しており、医師の処方せん等がある場合を除き、原則として個人輸入を禁じてきた。だが、食薬区分リストに収載されておらず、外部からの照会を受け、昨年12月、厚労省のワーキンググループが食薬区分を審議していた。
【石川 太郎】
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