制度の認知度向上を後押し~販売チャネルの多様化が急務(前)
沖縄県産健康食品のブランドとして、認証制度「WELLNESS OKINAWA JAPAN」(WOJ)が2018年5月にスタートした。「機能的価値」「情緒的価値」「安全安心」の3つの基準を満たす優れた商品を対象に、外部有識者による審査に基づき認証している。今年2月に、19年度「第4回WOJ認証」で4商品が認証され、認証数は10社19商品となった。制度の現状と課題について話を聞いた。
制度の理解度に差
――制度の認知度を含めて現状はいかがですか
照屋 2月に第4回認証として4商品が追加され、食品商社主催の商談会を行いました。その後、各企業との個別商談を進めていこうとした矢先にコロナの感染が拡大し、全ての商談会がストップしたというのが実情です。県の健康食品ブランド化強化事業自体は、新年度の4月からスタートしていますが、東京開催の展示会への出展取り止めや県内の各種イベントの中止で動きが鈍化しています。
また、認証商品は現在10社19商品となりましたが、正しくこの制度が理解されているとは言えない状況です。実際、昨年開催した商談会で、認証商品を持つ事業者がバイヤーに対して自分の言葉で分かりやすく制度を説明できないという事例もありました。そこで、制度の簡単な解説書と説明用の文例集のようなものをまとめました。企業によって説明の仕方が異なることで理解が進まないという弊害がありますので、各社が共通した言葉で制度の説明を行うことができる環境を整えなければならないという課題を残していました。
――認証を受けている事業者の制度理解に差があるのでしょうか?
照屋 一定の理解はされていますが、三拍子基準について適切な言葉で説明できるかというと、事業者によって差があります。催事での消費者や、商談会でのバイヤーといったお客様からの質問に対して、説明に戸惑ってしまうケースもあったようです。これまで用意していた資料は、専門用語が多用され小難しいところがありました。そこで、関係者ではない一般の方に分かりやすく説明するための資料や、文例が欲しいという要望がありました。これは、顧客とのコミュニケーションに関する専門家からの指導の上作成しました。
――県内にある物産店で、催事として即売会を開催しているようですが。
照屋 そういったイベントにも顔を出すようにしており、私自身も店頭に立って説明することもあるのですが、私が説明する内容と事業者が説明する内容にどうしても差が出てしまうという現状がありました。そこで、早急に共通の言語を共有し、その差を埋める必要があると考えました。出来上がったパンフレットを、これから認証を受けている事業者や販売事業者に配布していきます。
(写真:照屋氏)
【聞き手・文:藤田 勇一】
(つづく)
/(後)