全事業者が一斉に対応できるルールに 消費者庁、第4回「送料無料」表示の見直しに関する意見交換会
消費者庁は16日、10日に開催した「第4回『送料無料』表示の見直しに関する意見交換会」の資料を公表した。
「物流革新に向けた政策パッケージ」(2023年6月2日我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議)において、「送料無料」表示の見直しに取り組むことが取りまとめられた。これを受けて消費者庁では、「送料無料」表示に関する実態や見直しによる影響などを把握するため、運送事業者、荷主事業者などと意見交換会を実施している。
第4回目は、(一社)セーファーインターネット協会(SIA/中山明会長)が意見を述べた。同協会は、インターネットビジネスに携わる企業によって2013年に設立された。多くの人がインターネットがもたらす恩恵を享受し、安心してインターネットを利用できる環境を実現するため、インターネット利用に関連したさまざまなトラブルの対策、防止などを図るため、民間の自由な発想と分析力をもって各種課題に対応することを目的としている。Z HOLDINGSやYAHOO!JAPAN、メルカリなどが会員となっている。
SIAは、「送料無料」表示により、消費者が運賃・料金が発生していないという誤解をしているとの事実が前提になっていることに対して、その事実の有無など「送料無料」表示を見直すことにより、運賃・料金が消費者向けの送料に適正に転嫁・反映されることになる根拠などを示すよう求めている。
根拠を示せないのであれば、安易に「送料無料」表示の見直しを求めるべきではない。その上で、「送料無料」表示の見直しに取り組む場合には、①国内で営業する全事業者が一斉に対応できるルール、②「送料込み」、「送料当社負担」、「送料〇円」など、表現の幅は広く認めるルールとすべきとの意見を述べている。
またSIAでは、会員社による輸送力不足の解消につながる取り組み例として、「Yahoo!ショッピング おトク指定便」を紹介。「おトク指定便」とは、消費者が急がない荷物に対して、余裕のあるお届け日を指定すると、指定日によって「PayPayポイント」がもらえるというサービス。22年8月28日~23年3月25日に実施した実証実験を経て、今年4月11日から本格展開している。実証実験では、全体の注文者のうち51%が同サービスを利用しSNS上でも好評だった。また、ストアを対象としたアンケート(777ストアが回答)では、出荷作業のひっ迫に課題を感じ、55%が同サービスを利用してみたいと回答したという。
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