健康食品の品質確保に取り組む JHNFA、支給原料・資材情報シートを作成
(公財)日本健康・栄養食品協会(JHNFA/矢島鉄也理事長)は1日、「『情報シートを活用した健食GMPの適正運用と支給原料・支給資材の課題解決』についての説明会」をオンラインで開催した。
同協会では、GMP認定取得事業者でOEM事業を展開する事業者を中心にした「OEM部会」を設置し、OEM事業における製造の委受託に関わる課題について議論し、解決に向けた施策を検討している。今回、同部会では、製造委受託間の支給原料、支給資材について検討を進め、情報シートを作成した。
まず初めに、同部会部会長の㈱東洋新薬製造本部IP工場工場長の有川敬一氏が、「健康食品GMPとOEM事業における課題」と題して説明した。有川氏は、「売りやすい原料、デザインを優先するあまり、業界内における健康食品GMPに対する認識が、まだ十分だとは言えない。OEM製造の現場では、原料メーカーからの情報入手がギリギリになる、タイムリーな連絡が困難といった理由で、品質上の問題が発生することが時折発生している」として、今回、情報シートを作成した目的を説明した。
続いて、同部会副部会長の備前化成㈱市場企画部部長の吉田英生氏が、「OEM企業の課題事例と標準化情報シート(簡易版)導入のメリット」と題して説明した。吉田氏は、「委託元からの支給原料、委託支給資材に課題が多く、GMP運用に支障が生じている。受託業者として委託元へ理解を求めているが、なかなか定着しない現状がある。OEMメーカーの営業部門のGMP理解度を高めて、委託元への説明力を高めたい」とOEM企業としての課題を話した。情報シートを導入することで、「販社が委託先を管理することが楽になる、消費者に対する情報提供がスムーズになるといった管理の効率化、納期対応の改善、コンプライアンス違反や突発的な製造中断、発送ミスの軽減といったトラブル防止にもつながる」などメリットを説明した。
最後に、今後の予定として、同協会健康食品部部長の増山明弘氏が、「「情報シート」に関する意見を募集しQ&Aを作成し、日健栄協GMP認定工場に「情報シート」、「Q&A」を配信する。支給原料、支給資材の情報収集のためにシートの活用を推奨していく」と話した。また増山氏は、「「OEM部会」では引き続きOEM・GMPにかかわる課題を議論していく。日健栄協では、認定健康食品・GMPの普及を行い、健康食品の品質確保に取り組む」と話した。
【藤田 勇一】