パラミロン研究会、第2回学術集会を開催
パラミロンの多面的な研究を行う「パラミロン研究会」(矢澤一良会長)は19日、第2回学術集会を都内で開催した。
矢澤会長は開会の挨拶で、「腸にダイレクトに作用し、免疫向上、疲労回復や血中コレステロールの低下などさまざまな機能性が期待されているが、さらにヒト試験を増やして新たな機能性を発見してほしい」と呼びかけた。
理化学研究所生命医科学研究センター・マイクロバイオーム研究チームの副チームリーダーで、早稲田大学規範科学総合研究所招聘研究員の須田亙氏は「アスリートの腸内細菌叢」をテーマに講演。ヒトマイクロバイオーム(常在細菌叢)とその解析方法、一般人とアスリートの腸内細菌の比較などの視点から研究成果を発表した。
今回の研究では、試験期間中にラグビートップリーグの選手の糞便を採取し、次世代シークエンサーを用いたメタ16S解析を行った。その結果、一般健常人とラグビー選手群では腸内細菌叢が異なる傾向にあり、特にラグビー選手には常在菌のプレボテラが多いという結果が示されたという。須田氏は「腸内細菌叢のさらなる研究はアスリートの健康や疾患、パフォーマンスの科学的な評価につながる」と今後の研究に期待を寄せた。
東京薬科大学薬学部免疫学教室教授の大野尚仁氏は「パラミロンの免疫機能への影響とメカニズム」をテーマに、免疫機構や調節の仕組み、パラミロンが免疫系に影響を与えるメカニズムについて語った。
また、試験食とプラセボ食による健常人13人を対象とした比較試験により、試験食群で粘膜面の免疫機能の上昇や、精神健康関連QOLの上昇などが認められたと報告。大野氏は「パラミロンは生体防御系を活性化させることにより、健康機能を向上させる可能性があることが示唆された」と話した。
このほか、パラミロンが糖・脂質代謝に及ぼす特異的な作用についての研究発表も行われた。
(写真:約100人の関係者が参加)
【堂上 昌幸】