ステマ規制告示・運用基準案に意見書 ホクネットと全国消団連が相次ぎ提出
23日まで消費者庁がパブリックコメントの募集を行っている「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の告示案と運用基準案に対し、特定適格消費者団体の(特非)消費者支援ネット北海道(ホクネット)と(一社)全国消費者団体連絡会(全国消団連)が相次いで意見書を提出した。
適格消費者団体に差し止め請求権を
共に、ステルスマーケティングに関する新たな告示指定による規制には賛成の立場を取っているが、ホクネットは 今後の立法課題として「優良誤認表示および有利誤認表示に該当しない『一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示』に対する差止請求権を適格消費者団体に付与することを検討すべき」と一歩踏み込んだ意見を述べている。
事業者・第三者に立証責任を
運用基準案についてホクネットは、実際の運用に当たっての留意点を指摘している。
運用基準案では「事業者が表示内容に関与したと認められる」との要件(事業者関与性)と「一般消費者が広告であることを判別することが困難である」との要件(広告不明瞭性)が告示指定に当たるとされているが、実際には事業者と第三者の間に第三者としての客観性を装った共謀や事業者が関与しているにもかかわらず証拠隠滅などが行われる可能性があると指摘。
そのため、事業者の表示内容への関与についての認定に当たっては、事業者や第三者に立証責任や説明責任を負わせるべきとしている。
全国消団連は、「適宜見直しを行うこと」、「ステマ規制について、広告主や広告代理店、インフルエンサーなどへ広く啓発を進めるとともに、適切な注意喚起・指導が行えるよう」消費者庁の体制強化を求めている。また、一般消費者への周知も図るべきとしている。
【田代 宏】
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