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ジェンダードに着目した素材提案 フェムテックだけでなくメンテックの観点からも

 女性のヘルスケアを目的にしたサプリメント・健康食品の製品開発に向けた意欲が高まっている。背景には、フェムテックやフェムケアといった従来なかった用語が生まれ、社会に広がり始めたことがある。

 その流れで、男性のヘルスケアにも関心が向かいつつある。メンテックやメルテックなど、フェムテックと対をなす新用語も出てきた。性差に着目することを意味する「ジェンダード(gendered)」を意識した機能性食品素材の提案も始まっている。

 5月、都内で開催された食品添加物や機能性食品素材などの展示会。出展した機能性食品素材販売の㈱サビンサジャパンコーポレーション(東京都豊島区)は、フェムテックとメンテックにそれぞれ対応する機能性食品素材を紹介するセミナーを行った。

 同社は植物エキスをはじめとする機能性食品素材メーカー、サミ・サビンサグループリミテッド(インド・ベンガルール)の日本法人。頻繁に展示会へ出展し、その都度セミナーを行っているが、フェムテック&メンテック対応素材を紹介するのは今回が初めて。

 「米国(のサプリメント市場)では、フェムテックだけでなく、メンテックも注目されている。(日本でも)女性だけでなく男性の健康にも目を向ける必要がある」。講演した同社のセールスマネージャーはセミナーに参加した業界関係者にそう語った。

サビンサ、若い世代からのヘルスケアを提案

 グループにとって、サプリメント大国の米国は、売上高全体に占める割合が最も大きい重要マーケット。世界的な市場トレンドを予測しながらのマーケティング活動の最前線にもなっている。その中で、「米国では、1年以上前から、女性の健康だけでなく、男性の健康を切り口にしたマーケティングが始まっている。今回のセミナーは、米国で使われている提案資料を土台にしたもの」だと、前述の日本法人セールスマネージャーは話す。

 提案の中身はこうだ。生じがちな心身の不調は、性別、年代別(ライフステージ別)で異なる。それを一覧化し、それぞれに対応する機能性食品素材を当てはめることで可視化。これにより、最終製品の開発(処方検討)を行いやすくする。例えば、40~50代男性のヘルスケアでは、リプロダクティブ・ヘルス、心血管系の健康、腸の健康といった3つの領域に分類し、文献報告などされている科学的根拠を踏まえ、ブラッククミンシード抽出物、ザクロ抽出物、有胞子性乳酸菌、ガルシニアインディカ抽出物──などをそれぞれ提案する。

 この提案で特徴的なのは、中高年だけでなく、20~30代の若い層に求められるヘルスケアの観点も取り入れていることだ。「(身体の)機能が加齢などによって低下し始める前からケアしておく必要がある。そうした視点を、素材提案を通じて啓発していきたい」(同)と考えていることが背景にある。

 同社はこの日のセミナーで、クルクミン抽出物や黒コショウ抽出物など、サビンサの主要素材を配合したグミやキャンディー、ラスクといった食品の試供品を参加者に配布した。「(20~30代の)若い世代には、サプリメントよりも一般食品のほうが馴染みやすい」(同)と考えられることから、そうした食品の開発を促す狙いで配布したという。

 「若いうちからのヘルスケアにどう貢献していくか。知恵を絞って提案しきたい」(同)と話している。

【石川太郎】

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