消費者庁は25日、新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする健康食品に対して、表示の適正化について改善要請を行ったと発表した。SNSなどを通じて一般消費者などに対して注意喚起した。

　消費者庁によれば、一部の大学などの研究機関で、食品成分により新型コロナウイルスの不活化を実証したとする研究報告があるものの、いずれも試験管内での実験結果。当該食品成分を含む特定の健康食品を摂取することによる、新型コロナウイルス感染や重症化の予防効果が実証されているものではないという。

　消費者庁は、コロナ禍の緊急事態宣言が発出された今年４月以降、インターネット広告で新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする健康食品の表示について、景品表示法（優良誤認表示）、健康増進法（食品の虚偽・誇大表示）の観点から緊急監視を実施した。
　これまでインターネット広告で健康食品の販売をしている43事業者による49商品について、改善要請を行い、改善要請の対象となった事業者がオンライン・ショッピングモールに出店している場合には、当該ショッピングモール運営事業者に対しても情報提供を行ったとしている。

　対象となった商品は「1日3ｇのビタミンCが新型コロナ予防に効果的」、「ビタミンDコロナ予防、○○サプリがお勧め」、「コロナ対策に！チャーガ茶、世界的な研究施設が新型コロナに効くと認めたキノコ」などと表示していた。

【藤田　勇一】