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オムニカ、裾野発・高機能エキス 【24年、私たちはこう取り組む】主戦場をグローバル化、成果を日本に還元

 静岡県裾野市に生産拠点と研究・分析施設を置く機能性食品原材料メーカーの㈱オムニカ(高尾久貴社長)は今年、日本と海外を舞台にした活動を繰り広げる。植物エキスの製造から分析まで最新鋭の設備機器を導入し、エビデンスが得られたものと同じ製品を作る製造技術を運用できるようにした「裾野工場」を2020年に本格稼働させて以来、海外輸出が増加している。海外での活動成果を日本に還元していきたい考えだ。

全てを充足する機能性食品原材料

 オムニカが裾野工場発で提供する植物エキスには機能性表示食品対応素材も多い。「ミルトアルゴス」、「キポフェン」、「ハイフィル20」、「ハルパゴシド」──機能性関与成分(規格成分)は前からビルベリー由来アントシアニン、キウイ由来プロシアニジン、ルテイン、デビルズクロー由来ハルパゴシド。機能性表示対応素材化に向けた研究開発を進めている製品も複数、ある。

 「日本とは異なり、FDAのある国家が規定するサプリメントの要件を全て満たし、かつ、日本の機能性表示食品にも利用できるもの。その両方を充足する機能性食品原材料を提供していくのが我われの役割」(編集部注:ここでいうFDAは、法律で定義されたサプリメントを規制する行政機関の意味)。

 そう話すのは同社の高尾社長。アフターコロナの昨年は、東南アジアと米国で開催された展示会にそれぞれ出展し、海外展示会に復帰した。今年以降、そうした機会をさらに増やして海外市場との接点を大きく広げていく計画。「10年前に描いた図式のとおり、我われの仕事は外国でも必ず通用すると確信している」と手ごたえを語る。

 海外市場に展開していくのは原材料だけではない。日本の優れた製剤技術と組み合わせたかたち(バルク)でも海外輸出を推進していきたい考えも語る。

 「日本の(最終製品)受託メーカーの技術は高い。我われの製品には、例えばアントシアニンなど、最終製品化した後の品質保証の難易度が高いものもあるが、それを高度に保証できる技術を持ち合わせているメーカーもある。そうした優れた技術を外国に伝えていくためにも、(受託メーカーと)一緒に取り組んでいきたい」。また、「日本の健康食品がダイエタリーサプリメントとして、外国にどんどん出ていくことを歓迎している。日本の原材料や製剤技術は優れているという評価を定着させることを目指したい」とも話す。

最注力事項に品質保証

 安全性と有効性を担保したダイエタリーサプリメント向け原材料の研究開発・製造・販売──オムニカの仕事とはそうしたものだ。ホームページで次のように宣言している。

 「生活を通じた健康維持増進を意識するすべての人々が、自主的かつ合理的に機能性食品を選択できる環境を実現するには、そのエビデンス情報とその原材料の関係を確実に一致させる性能保証が前提条件となる。オムニカは、自社の成分を対象に自ら行う厳格な臨床試験でエビデンスを検証し、検証された成分と同等同一の成分を自らの製造品質管理で製造する。エビデンス検証と原材料製造の両方を自ら同時に行うことで初めて性能保証が可能となる」

 性能保証とはつまり、安全性と有効性に関わる品質保証のことだ。適正な製造・品質管理(GMP)を背骨に、臨床試験でエビデンスが検証された成分との「同等性」と有効性に関する「再現性」のある成分を保証する、と言い換えることもできる。

 今年は、健康食品の安全性確保をめぐり行政が動きを見せる。錠剤やカプセルなどサプリメント形状の健康食品の適正な製造に関する考え方や、その原材料の安全性に自主点検ガイドラインを厚生労働省が示した「平成17年通知」の改正だ。

 機能性表示食品制度の施行以来、事業者の関心は有効性の科学的根拠にばかり向かう風潮がある中で、「安全性や品質管理に対する要求がより高まるという流れは我われにとって望ましいこと。製造管理、品質管理、あるいは品質保証において、安全性と有効性とは表裏一体であって最後は必ず合流するものだ」と高尾氏。改正17年通知への対応については、「これまでの取り組みを基盤にしながら、より一層の品質保証に取り組むことが重要になると考えている」と述べつつ、「(高度な管理を可能とする分析機器と技術を持つ)我われだからこそできることがある」とする。

眼の健康維持、高まるニーズに応える研究

 一方、研究開発の仕事に関しては今年、眼に対する有効性を持つ機能性食品成分の「適応拡大」に取り組む計画だ。同社はビルベリー由来アントシアニンやルテインについてエビデンスの検証を繰り返していることで知られるが、そこからさらに研究開発を深掘りしていく目的について高尾氏は話す。

 「日本の人口は減少している一方で、スマートフォンなどのデジタルデバイスの数は増加していて、眼にかかる負担は以前にも増して重くなっている。そうした中で、眼の健康維持を求める欲求は、とても幅広い年代に及ぶようになっている。眼の健康を維持するダイエタリーサプリメントの役割が今後ますます大きくなっていく局面にあるということ。だからデジタルデバイスが広範囲に普及した環境でこそ役割を果たせる強いエビデンスを検証していきたい。検証していく以上、表示もできるようにしたい。食品の三次機能に対するニーズは、時代の要請と呼応したときに高まっていくのだと思う」

 健康食品業界の多くの企業と同様に、同社も急激なコスト上昇、物価高騰、円安などの煽りを足元で受けている。それら業績の引き下げ圧力への対応については「引き続きスケールアップによるコストダウンをはじめとするあらゆる努力を続けながら、一緒に乗り越えていけるようにしたい」と高尾氏。「こういう物価上昇の局面でこそ、食の三次機能機を補うために、ダイエタリーサプリメントが役立つと考えたい」

【石川太郎/2023年12月取材】

(冒頭の画像:オムニカ裾野工場のプラント中枢。文中の写真:上から、同じく裾野工場の防爆エリア、工場に併設する分析室、最後の写真は工場併設の実験室。全てオムニカ提供)

<COMPANY IMFORMATION>
所在地:静岡県裾野市今里492-1(本社・工場)
TEL:055-957-5030
URL:https://www.omnica.co.jp/
事業内容:機能性食品の原材料製造、最終製品受託製造

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