オムニカ、新製品にマキベリー抽出物 アントシアニン含量50%以上で規格、「裾野工場」で製造・品質管理
サプリメント用原材料メーカーのオムニカ㈱(静岡県裾野市、高尾久貴社長)は、明日15日から17日まで東京都内で開催される「食品開発展」に出展し、新製品を発表する。
チリ産のマキベリー果実を基原材料にしたもので、目の健康に寄与するアイケア用途の機能性素材として提案する。1日あたり100トン超の生産能力を有する同社の「裾野工場」で抽出や高純度化などの製造工程をはじめ品質管理を進める製品になる。
「食品開発展」に合わせて上市
新製品のマキベリー果実抽出物「マキアルゴス」は、同果実に含まれる有効成分のアントシアニン含量を50%以上に標準化した粉末素材。以前から国内市場で流通している複数の同抽出物と比較してアントシアニンの高純度化を実現した。
マキベリー果実は、アントシアニンの中でもデルフィニジン系アントシアニンを高含有することを特徴とする。そのため、製品規格では、デルフィニジン系アントシアニンを中心とした定性・定量分析に加え、HPLCフィンガープリント(固有パターン)の活用も行う。これにより、製品品質の精度を一層高める、という。
同社は新製品について、「国内製造・エビデンス・価格競争力の3つが揃った原材料になる」と語っている。
機能のエビデンスについては、現在アイケア機能を検証する臨床試験を進行中で、結果は年明けにも分かる見通し。その後、春先には論文投稿を予定しており、秋ごろを目途に、新製品を配合した機能性表示食品の届出を顧客企業らが行えるようにする計画だ。
青汁に適したプレバイオティクスも提案
オムニカが「食品開発展」に出展するのは、新型コロナ禍以降では初となる。会期中は新製品のほか、アイケア機能の臨床試験結果を昨年末に論文発表していた「シン・ルテイン」を提案する。
マリーゴールドの花から抽出したルテインとゼアキサンチンについて、同花に含まれる天然比率と同じ12対1で標準化したもの。ゼアキサンチンの含量調整を行わない、従来なかった天然比率のマリーゴールド色素製剤になっている。
また、今年5月の展示会「ifia/HFE Japan」出展時に引き続くかたちでプレバイオティクスの「リンサイド」を提案する。
β-グルカンとマンナンが多く含まれる酵母細胞壁を主要成分とする食物繊維素材。1日あたり摂取目安量が500㎎からと少量で腸内環境改善が期待できる点が特徴だ。また、人の腸内細菌叢の構成パターンを大きく3つに分類した「エンテロタイプ」ごとに異なる効果――たとえば、プレボテラ型ではプロピオン酸の産生増加、ルミノコッカス型では酢酸の産生増加――を示す可能性が示唆されているという。
このプレバイオティクスについて同社は、機能性表示食品対応素材であるキウイフルーツ抽出物「キポフェン」(機能性関与成分:キウイ由来プロシアニジン)とともに、機能性を訴求する青汁製品への配合に優れた機能性素材として提案する。
また、脂質の吸収抑制に伴うBMI改善効果が確認されているキポフェンについては、2粒で1日あたりの有効摂取量(200mg)を摂取できるキウイヨーグルト風味のチュアブル錠をサンプルとして配布する。最終製品のイメージを具体的に提示することで、拡販に向けて弾みを付けたい考えだ。
15日からの「食品開発展」では他にも、裾野工場で製造する主力のビルベリー果実抽出物「ミルトアルゴス」をはじめ、各種の機能性表示食品対応素材を提案する。また、健康食品原材料GMP認証とISO22000認証をそれぞれ取得している裾野工場の強みもアピール。分析ラボを併設している同工場で構築している、機能性表示食品の遵守事項を定めた内閣府令・内閣府告示に対応した製造・品質管理および品質保証の体制について、来場者に向けた情報発信を行う予定だ。
ブース番号は「1-019」。
【石川太郎】
(冒頭の写真:オムニカ「裾野工場」内部。同社提供)
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