インデナ社（イタリア・ミラノ）はこのほど、新型コロナウイルスに対するケルセチンの抗ウイルス効果に関する2度の臨床試験を行ったと報告した。

最初の試験は、無作為化非盲検試験で実施。152人の新型コロナウイルス感染者に対して、標準治療に追加してケルセチンを１日当り1,000mg、30日間投与。初期症状の治療および症状の重症化予防に対するアジュバント効果を調べた。
その結果、ケルセチンによる追加療法により、標準治療だけと比較して、入院の必要性（-68.2％）、入院期間（-76.8％）、酸素吸入療法（-93.3％）、集中治療室の使用（0人対8人）および死亡数（0人対3人）が大幅に減少。入院日数に関しては、ケルセチンを標準治療への追加療法として使用したところ、91.6％減少したという。

2度目の試験では、2週間の無作為化非盲検対照ヒト試験を行った。対象者は42人の新型コロナ陽性の外来患者。42人のうち、21人は標準治療で治療され、21人は標準治療にケルセチンを追加投与して治療した。
主要なエンドポイントの1つは、SARS-CoV-2のPCR検査で、陽性から陰性になるのに必要な期間。ウイルスの除去効果とその症状を確認すること。
ケルセチンを1日当たり1,500mg 投与。1週間後、1日1,000mg をさらに1週間使用したところ、新型コロナウイルスを除去し、症状の発生を減らし、血液の疾患バイオマーカーを改善したとし、現在、被験者を増やして追加試験を実施しているという。

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