インタビュー~(株) クリニカル・サポート・コーポレーション 代表取締役社長 千葉 俊秀 氏
<グループ会社の機能を融合した総合サポート>
同社は、北海道札幌市を基盤とする北武グループの医薬品・保健機能食品・化粧品の試験実施施設支援機関として2001年10月に設立され、ヒト試験を実施している。試験実施計画書の作成から倫理審査委員会(IRB)審査、試験の実施、統計解析や試験報告書の作成まで、北武グループ内でネットワークを構築。高品質で効率的かつスピード感をモットーに、顧客満足度の高い支援機関を目指す。(聞き手・文:藤田 勇一)
――どんな会社ですか。
千葉 2002年に創業した臨床試験実施施設であり支援会社、いわゆるSMO。主に医薬品の第2相、第3相試験の実施医療機関の業務をサポートしています。後発医薬品の生物学的同等性試験のサポートを得意としています。その経験を元に、食品・化粧品のヒトを対象とした臨床試験の計画立案から実施まで受託が可能。機能性表示食品の拡充や、エビデンスに対するニーズの高まりもあり、受託案件は年々増加しています。
グループにCROの北武臨床(株)があります。医薬品(主に後発医薬品)・医療機器の臨床試験と医師主導の臨床試験、臨床研究などの開発支援業務を行っています。必要に応じて連携しながら、安全性や有効性の確認試験、販促資料作成のための試験、特定保健用食品(トクホ)申請のための試験などに幅広く対応しています。
また、さらにグループ会社に医療法人があり、臨床試験専用施設を運営しているため、特殊な対応が必要な臨床試験でもフレキシブルな対応が可能です。事業所は札幌本社のほか、福岡に支店を置き、新薬のSMO業務を行っています。また、大学病院と提携し、後発医薬品のBE試験のサポートを進めています。社員数は48人で、うち女性が31人。平均年齢は40歳です。
――入社した経緯と現在の業務内容について教えてください。
千葉 治験業務の新しい業種としてSMOが認知されてきた頃、グループのオーナーから誘われました。非常に興味のある業務だったため入社に至りました。現在、代表取締役として、主に管理業務の他、BE試験の営業を行っています。仕入れや商品がない業務のため、最も重要なのは人対人の信頼性です。全ての出会いを大切にし、職員の提案を叶えることを念頭に日々励んでいます。
――九州エリアを強化していくのですか。
千葉 SMO業界は、全国規模の大手が大量受注を行っていますが、人と人のつながりを重視した地元密着のフレキシブル対応ができるSMOのニーズは高いと考えています。これまでの北海道を中心とした活動だけでなく、これからは九州の拠点を本格稼働させます。これにより、中・四国地方や関西エリアまで対応できるようになりました。
とはいえ、まずは福岡を中心とした九州全域のカバーに注力します。福岡市内の総合病院で食品の臨床試験を実施し、各科の診療科とも連携し、PETなど最新の医療機器も駆使していく方針です。病院では健康診断事業も行っており、対象被験者の募集もできるなど試験に関するサポートを全て行います。北海道の美しが丘病院以上の広い施設で、質の高い臨床試験の実施が可能になりました。
――今後の目標についてお聞かせください。
千葉 食品においても科学的な根拠を求められる時代であり、ヒトでの臨床試験が広く行われるようになってきました。それに対応できるアドバイスや情報の提供も積極的に行い、業界の発展に貢献したいと考えています。また、グループオーナーの「借金をしない経営」という理念に基づき、常に利益を生み出し、数十年後も継続できる会社として、現在の職員の子供たちが勤務できるような会社になってほしいと思っています。
――ありがとうございました。
<COMPANY INFORMATION>
所在地:北海道札幌市中央区南1条西8丁目4-1TG札幌ビル6F(本社)
TEL:011-223-3130
FAX:011-272-7301
URL:http://www.csc-smo.co.jp
事業内容:医薬品・医療機器の臨床試験の実施に関する支援、保健機能食品・化粧品の臨床研究の実施に関する支援