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アピ、一般食品原材料市場に本格進出 
プラントベースフードに照準 柱事業化めざす

 健康食品受託製造国内最大手のアピ㈱(岐阜県岐阜市、野々垣孝彦社長)が、一般食品向け原材料の開発・製造・販売を本格化させている。新規の加水分解技術および設備を活用し、高まる健康志向に応じるプラントベースフード(植物性食品)に適した原材料を国内の自社工場で製造。原材料販売を通じて一般食品市場への普及をめざす。健康食品、医薬品、蜂産品に続く柱事業に育てたい考えだ。

 アピが事業の新たな柱に育てる一般食品向け原材料事業の技術基盤は、新たに取り入れた新規の加水分解技術と設備。新技術は、穀物などに含まれるデンプンなどの高分子成分を熱と圧力だけで分解(α化)させ、連続する工程で粉末化するというもの。加工後も含有する栄養成分などをそのまま保持できる。風味の改善や溶解性の向上などにつなげることも可能で、栄養価や加工適性の向上の他、口当たりなどにも優れた原材料を製造できるという。

 技術を具現化する専用の加水分解ラインは、揖斐川工場と本巣工場にそれぞれ導入し、昨年のうちに本格稼働させた。
 第1弾製品は21年初頭に発売。環境意識や健康志向を取り込むことで需要が高まった「植物性ミルク」を主な用途にするオーツ麦の糖化濃縮液と加水分解粉末を開発し、一般食品メーカーへの提案活動を開始。その後、たんぱく質やビタミン類を多く含むひよこ豆の加水分解粉末、15種類の穀物を使った雑穀の加水分解粉末や雑穀糖化液を立て続けに開発し市場投入した。今後も製品開発を続け、ラインアップを順次増やしていく計画だ。

アプリケーション開発も
研究所に専用環境を整備

 採用提案を本格的に進めるに当たり、各原材料のアプリケーション開発を行える体制も整えた。研究開発拠点である長良川リサーチセンター内に専用の環境を整備し、各原材料を配合した食品の形態やレシピなどを考案できるようにした。
 第1弾のオーツ麦製品は、これまでに飲料メーカーなどに採用された。独自の加水分解技術でα化したオーツ麦を粉末化した「EX-OAT」は、食品加工適正の高さや消化吸収性の良さなどを訴求するもの。また、EX-OATを糖化濃縮液に加工した「OAT糖化液」は、飲料の充填製造所で希釈し、食用油や塩などを添加するだけで、植物性ミルク(オーツミルク)になるという。

 一方、オーツ麦は、機能性成分のβ‐グルカンが多く含まれることが知られ、機能性食品の原材料としても展開していくこともできる。実際、海外では疾病リスク低減表示が許可されており、同社では、プラントベースフードとしての将来性だけでなく、食品機能性の側面からもオーツ麦に着目した。今後、機能性表示食品向け原材料としての提案も並行して行うことも検討している。

 オーツ麦製品以外の植物性原材料「EXシリーズ」についても、採用が進みつつあるという。
 きび、白麦、ひえ、玄麦など15種類の穀物をまるごと加水分解して粉末にした「EX-雑穀」は、食物繊維やたんぱく質が豊富に含まれることを訴求。α化されているため、炊飯等の加熱を伴わない食品など、さまざまな食品に配合できることを売りにする。加えて、雑穀ミルク向けに糖化液の提案も進めている。
 また、たんぱく質のほか、ビタミンEなどの栄養素を多く含む、ひよこ豆(ガルバンゾー)の加水分解粉末「EX-CP」では、栄養価の高さを維持したまま、ゲル化能を大幅に向上させたことなどをアピール。スティックゼリーやスムージーなど、粘性が求められる飲料などへの配合を提案している。


【石川太郎】

<COMPANY IMFORMATION>
所在地:岐阜県岐阜市加納桜田町1-1(本社)
TEL:058-271-3838
URL:https://api-odm.com/(健康食品OEM/ODMサイト)
事業内容:健康食品、医薬品、蜂産品の製造販売

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