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【周年記念特集】95周年『明治ミルクチョコレート』ピュアな品質

1926年(大正15年)9月の発売から昭和・平成・令和の時代を超えて愛されてきた『明治ミルクチョコレート』。今でも“ピュアチョコレート”の規格を満たす数少ない商品の1つだ。開発の歴史と共に現在の取り組みなどについて、㈱明治(東京都中央区、松田克也社長)の「明治ミルクチョコレート」ブランドマネージャー・木原純氏に話を聞いた。(聞き手・文:堂上昌幸)

<作曲いずみたく「チョコレートはめ・い・じ♪」>
 いつまでも耳に残るCMのメロディー「チョコレート、チョコレート、チョコレートは明治」は作曲家・いずみたく氏によるものだ。少なくとも5世代にわたって支持されてきた製品だが、ロングセラーとなった背景は実に興味深いものがある。

 「国のチョコレート規格であるピュアチョコレートであることを守りながら、その時々のユーザーの嗜好やトレンドの変化に対応し、いわば“変えるものと変えてはいけないもの”を追求してきたからこその95周年だと認識しています。ピュアチョコレートとは、植物油脂を使用せずに砂糖とカカオと乳製品を乳化剤で安定させて作ったチョコレート。その点、大手メーカーのチョコレートとしては希少な存在となっており、最近ではユーザーがその事実をSNS上で発信されて話題となりました」(木原氏)

<いつ食べても安心の味わい>
 いつ食しても安心できる味わいを維持するため、ガーナ共和国産のカカオ豆を主軸に複数産地のカカオをブレンド。また、ローストなどの加工過程においてもさらなるおいしさを追求する努力を続けてきた。カカオは農作物であるため、気象条件によって品質に差が生じる。また同じ工場での加工においても気象条件によって品質に差が生じる。生産地との協力や製造技術の革新を続けているからこそ、全国どこでもいつでも安心できる味わいを提供し続けられているといえる。
 さらに、90周年にあたる16年には、現在のユーザーに合わせた味わいなどの微調整も行ったという。

 「1990年代が大きな転機でして、そこから板チョコだけでなく、形状や包装形態も多様化したことでブランド自体も成長しました。さらに世代毎に心に残るテレビCMや手作りチョコレートのような新しい食習慣のシーンがどんどん広がってきて現在に至っています。また、2016年からは『ブラックチョコレート』や『ハイミルクチョコレート』などの姉妹商品も統一された製品デザインのジャケットに変わっています」(木原氏)

<産地と共同で美味しさを追求>
 木原氏の言葉どおり、同社のチョコレート製品では、カカオ産地と共同でおいしさを追求したスペシャリティーカカオ豆で製造し、産地毎の香味の違いが楽しめる『明治 ザ・チョコレート』、ポリフェノールの濃度を高めたカカオ豆を使用して作ったお客さまの健康を考える『チョコレート効果』など、ブランド世界も大きく広がってきている。

<板チョコ60代・ミルクチョコ50代>
 今年60周年を迎える『ブラックチョコレート』と『明治ミルクチョコレート』のユーザー層の違いについても聞いてみた。

 「板チョコレートのシリーズ商品全体が、60代以上のユーザーに高い支持をいただいています。内訳ではミルクチョコは50代以上が約半数。ブラックチョコのユーザーは6割以上で男性比率も高い。甘くないという点が好まれていて、現在では『苦いものもおいしいよね』という若者層も現れてきています。そうした層に向けてはeスポーツシーンや選手・解説者などeスポーツに関わる方々を起用し、SNS上で情報発信のインフルエンサーとなってもらっています」(木原氏)

<ミルクチョコ「ファミリー」・ブラック「パーソナル」>
 摂食シーンでは、ミルクチョコが主にファミリーでのシェア、ブラックチョコはパーソナルな需要が多いという。

 「昨年春からはコロナ禍で外出自粛という事情から、自宅で過ごす時間が増え、甘いチョコを食べて憂鬱な気分を発散したいという需要が増えました。さらに小麦粉が店頭から消えた時期もありましたので、母娘の手作りチョコ需要もあり、巣ごもり傾向は追い風となりました。現在は落ち着いてきていますが、瞬間風速的に前年比180%まで出荷が伸びて供給が追い付かない時期もありました。当社にとってもバレンタインデーなどの記念日需要だけではなく、社会状況によってはこんな需要喚起があるとわかったことは良い勉強となりましたね」(木原氏)

<「明治チョコレート大作戦」実施中>
 コロナ禍の取り組みとして、同社では昨年夏から『明治チョコレート大作戦』と銘打ち、同社のチョコレートブランド横断企画もサイト上で情報の発信も始めている。eスポーツなどの関係者をSNSインフルエンサーに起用して、一般ユーザーと「こんなシーンで食べると意外とイケる」などとコミュニケーションを取ってもらうことで、幅広いユーザーにシリーズ商品をより身近に感じてもらおうという狙いのようだ。

 「催事はもちろん、さまざまなシーンで楽しく過ごす場にふさわしいチョコレートの食べ方があるという認知をこれからも広めていきたい」と語る木原氏。ともあれ、ロングセラー製品には、それを次代に伝える人や組織の在り方までも求められているということだろう。

(写真:(左)1926年の発売時の『明治ミルクチョコレート』。当時チョコレートは贅沢品だった。(右)現在のパッケージ。2009年に設立された明治ホールディングス㈱のもと明治製菓と明治乳業が経営統合し、2011年に食品事業の子会社の㈱明治が発足し、CIが変わったことで商品のロゴも変更された)

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