「アドバイザリースタッフの活用を!」(厚労・今川室長)~認証制度協シンポ(前)
(一社) 日本健康食品認証制度協議会(東京都千代田区、信川益明理事長)は14日、「第36回日本健康科学学会学術大会 シンポジウム」をオンラインで開催した。テーマは「食品衛生法改正の施行ならびに機能性表示食品制度の課題を踏まえた事業者のあり方〜健康食品の品質と安全性確保、機能性表示食品制度へのさらなる期待〜」。
特別講演を行った厚生労働省医薬・生活衛生局の今川正紀氏は、食品衛生法改正に伴う指定成分制度等の実施状況を中心に紹介し、今後の方針についても言及した。
昨年6月1日に施行された食品衛生法の改正(第8条新設)では、特別の注意を必要とする成分を含有した食品(指定成分等)の届出の義務化や報告義務などが定められた。さらに、コレウス・フォルスコリー、ドオウレン、プエラリア・ミリフィカ、ブラックコホシュの4つの指定成分を含む食品を製造・販売する事業者には、GMP認証が義務付けられた。
今川氏によると、今年6月30日までの指定成分を含む食品の健康被害件数が、コレウス・フォルスコリー176、ドオウレン0、プエラリア・ミリフィカ25、ブラックコホシュ91となっており、「その後も増加し、10月時点では合計350件前後」と現状を報告。「健康被害情報に関しては、その都度ワーキンググループを設置して検討し、厚労省ホームページに掲載している。食品安全性の確保のため、安全管理責任者を事業所内に設置することが望ましいが、難しいのであれば食品保健指導士などのアドバイザリースタッフの活用も検討してほしい」と語った。
同省の今後の方針については、国民に広く知らせるリスクコミュニケーション重視の姿勢で臨むとしながら、「指定成分含有食品をはじめとする、いわゆる『健康食品』についてもワーキンググループの専門家による検討を行い、危険性があるものについては随時国民に公表する。被害可能性のある成分の特定は非常に難しいものなので、専門家会議にはかりながら迅速に対応していきたい。そのためワーキンググループには皮膚科、呼吸器、腎臓などの専門家も入れて拡充していく」と述べた。さらに、「今後は安全管理者としてふさわしいアドバイザリースタッフの養成が必要」との認識も示した。
シンポジウムではこのほか、消費者庁食品表示企画課の森田剛史氏による講演や、パネルディスカッションなども行われた。
(つづく)
【堂上 昌幸】