添加物の食用赤色3号、米国で禁止 伊東消費者担当相が公式見解、消費者庁もQ&A公表
着色料として使用されている食品添加物「食用赤色3号」が米国において禁止される。15日、米国FDAが決定した。
このことについて、きのう(17日)に行われた記者会見で伊東良孝消費者担当相は、国の公式見解を示した。
伊藤大臣は、「食用赤色3号は我が国においては、食品衛生法第12条に基づき、専門家の議論を踏まえた上で、人の健康を損なう恐れのない添加物として指定され、指定され使用が認められてきたところ」とし、今後は「米国における決定の内容を精査し、諸外国における動向等も踏まえて、科学的見地から我が国における対応の要否も含めて検討していく」と述べた(動画8分40秒~)。
また消費者庁は同日、食用赤色3号に関するQ&Aを公式サイトに公表した。
これによれば、「食用赤色3号」の食品への使用許可を取り消すとの米国の決定は、雄ラットの試験において発がん性が認められた報告があったことから、デラニー条項に基づく法的な措置として行われたと説明している。食用赤色3号が使用された食品の切り替えについては、2027年1月15日まで経過措置期間が設けられており、「雄ラットにおける発がん性の発生機序はラット特有のもの。ヒトでは発生しないこと、他の動物やヒトの試験では同様の事象は見られておらず、食用赤色3号の使用がヒトの健康に影響を及ぼすという主張は科学的に裏付けされたものではない」と米国FDAが申し添えていると記している。
デラニー条項とは、米国連邦食品医薬品化粧品法(The United States Federal Food, Drug, and Cosmetic Act)に1958年に追加された条項で、「動物やヒトにがんを引き起こすと考えられる物質は食品添加物として使用できない」とされている。
ただし食品安全委員会の三森国敏委員によれば、「ゼロリスクを前提としたデラニー条項は1996年に廃止された」としている。