東京地裁、インシップにも支払い命令 債務不存在確認等請求事件(甲事件)で
健康食品販売会社㈱インシップ(千葉県浦安市、小野伸二郎社長)と受託製造会社㈱夢実耕望(岩手県二戸市、岡田清社長)が、機能性表示食品『いちょう葉エキス』などの使用原料をめぐる問題で争っていた裁判(甲乙併合事件)で、ウェルネスデイリーニュースは既報のとおり、「裁判所が判決で夢実耕望の原料偽装を認定した」というインシップ側の公式サイトにおける発表を10月26日付の記事で紹介した。また、夢実耕望の代理人は取材に対し、判決は受け入れがたいとして同12日に「控訴した」とも伝えている。
このほどウェルネスデイリーニュース編集部が1審の判決と東京高裁への控訴状を確認したところ、甲事件(債務不存在確認等請求事件)ではインシップも夢実耕望への支払い命令を受けていることが分かった。そのことを受けて同社も同23日付で「控訴状兼訴えの変更申立」を行っている事実が判明した。判決文および控訴状の写し(抜粋)は以下のとおり(つづきは会員専用ページへ)
<判決言い渡し>
令和5年10月10日
債務不存在確認等請求事件(甲事件)
損害賠償請求事件(乙事件)
口頭弁論終結日 令和5年7月18日
〇判決
甲事件原告(夢実耕望)兼乙事件被告(インシップ)
夢実耕望 岡田清代表取締役 他4人
甲事件被告兼乙事件原告
株式会社インシップ 小野伸二郎 代表取締役
〇判決主文
1.被告インシップは、原告夢見に対し498万2789円及びこれに対する令和元年11月15日から支払済みまで年6%の割合による金員を支払え。
2.原告夢見のその余の請求を棄却する。
3.原告夢見及び個人被告らは、被告インシップに対し、連帯して、1億7965万6697円及びこれに対する令和元年7月18日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
4.被告インシップのその余の請求を棄却する。
5.訴訟費用は、甲事件乙事件を通じ、これを77分し、その10を原告夢見及び個人被告らの負担とし、その余は被告インシップの負担とする。
6.この判決は、第1項及び第3項に限り、仮に執行することができる。
〇請求の趣旨
1甲事件
(1)被告インシップは、原告夢見に対し、100万円及びこれに対する平成30年7月26日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
(2)被告インシップは、原告夢見に対し、498万2789円およびうち120万6495円に対する同年2月1日から、各支払済みまで年6%の割合による金員を支払え。
2乙事件
原告夢見及び個人被告らは、被告インシップに対し、連帯して、13億8500万0869円及びこれに対する令和元年7月18日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
〇控訴状
10月12日
株式会社夢実耕望他4人
夢実耕望の控訴の趣旨
1 原判決中、控訴人らの敗訴部分を取り消す。
2 被控訴人は、控訴人株式会社夢実耕望に対し、100万円及びこれに対する平成30年7月26日から支払済みまで年5%の割合による遅延損害金を支払え。
3 被控訴人の請求をいずれも棄却する。
4 控訴費用は1,2審とも被控訴人の負担とする。
控訴理由については、追って控訴理由書を提出する
〇控訴状兼訴えの変更申立書
10月23日
株式会社インシップ 小野伸二郎
〇控訴の趣旨(訴えの変更後)
原判決主文を以下のとおり変更する
1 被控訴人夢見の請求をいずれも棄却する。
2 被控訴人夢見及び被控訴人個人被告らは、控訴人に対し、連帯して、8億円及びこれに対する平成30年7月12日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
3 訴訟費用は、甲事件乙事件を通じ、第1審及び第2審とも被控訴人らの負担とする。
との篇結並びに仮執行の宣言を求める。
控訴理由については、追って控訴理由書を提出する。
以上
【田代 宏】