ステマ広告検討会「報告書」を公表 パブコメの指摘3点に対応し、報告書に追記
消費者庁は28日、「ステルスマーケティングに関する検討会」(ステマ広告検討会)の報告書を取りまとめ、パブリックコメントとともに公示した。
パブリックコメントでは、2日~15日までに45件の意見が寄せられた。そのうち、細かい語句の修正以外で報告書に反映されたのは以下の3点。
「事業者が表示内容の決定に関与したとされないもの」という運用基準案のくだりで、第三者の自主的な意思による表示と認められるケースの説明について、「出店者が購入者に対しレビュー機能によるレビュー投稿に対する謝礼として次回割引クーポン等を配布する場合であっても、事業者(当該事業者から委託を受けた仲介事業者を含む。)と購入者との間で表示内容について一切の情報のやりとりが行われておらず、購入者が自らの自主的な意思に基づき投稿したと客観的に認められる場合」(報告書41ページ)、「事業者から、表示内容を決定できる程度の関係性にない第三者に対し、表示を目的とした無償提供ではなく、単なるプレゼントとして商品等の贈呈を行った結果、当該第三者が自主的な意思に基づいて表示を行ったと客観的に認められる場合」(同)。
消費者庁は、「表示内容の決定に関与した事業者が表示内容の決定に関与したということと、第三者が自主的に自由な意思に基づいて表示をしたということは両立しない。したがって、第三者が自主的な意思に基づいて表示を行ったと客観的に認められるのであれば、それは事業者の表示ではなく第三者の表現行為であるということになる」と説明。これらについて、「(パブコメが)事案の趣旨、さらにはそれを具現化した運用基準の趣旨をご理解いただいた上で、さらなる明確化のために提言いただいたということで取り入れた」と補足している。
さらに、「一般消費者が表示であることを判別できない」ケースについて説明した箇所で、「なお、複数の商品又は役務の価格情報や内容等を比較するアフィリエイトサイトにおいては、アフィリエイトサイト自体が一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭となっている限り、掲載されている全ての商品又は役務について、それぞれ事業者の表示であることを記載する必要はない」(42ページ)を追記した。
「(あるサイトが)アフィリエイトサイトのデパートみたいになってるというイメージだが、ここはある意味そのテナントがいちいち事業者の表示ですよということを表示しなくても、デパート全体が事業者の表示であるということが分かっていればいいのではないか」との指摘に対して追加したと説明している。
【田代 宏】