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ステマの表示告示案で公聴会開催 事業者、消費者への教育・周知に関する要望多数

 ステルスマーケティングを新たに不当表示として指定するための告示案を策定した消費者庁は2月17日、施行に向けた公聴会をオンラインで開催した。参加した学識経験者、消費者団体、関係行政機関などの公述者らは告示案に全員賛成としながらも、その運用面や事業者、一般消費者への教育・周知に関する要望の声も多かった。

 ECサイトやSNSなどのデジタル広告市場の急速な市場拡大に伴い、近年には広告主が自らの広告であることを隠したまま広告を出稿する「ステマ」の問題が顕在化してきている。
 その対応施策として、消費者庁は昨年8回にわたる有識者検討会議「ステルスマーケティングに関する検討会」を開催し、年末に報告書をまとめた。23日までパブリックコメントを募集している。

 それが景表法への追加事項「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示(案)」。内容は「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であっ
て、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの」を不当表示として規制するものだ。

 公聴会では告示案について「ようやく他の先進国並みの法整備に」との評価や、「施行により正当な市場競争が促され、広告業界の信頼性が担保される」との期待も表明された一方で、「SNSなどのステマでは事業者だけでなく、一般消費者にも分かりやすい周知が必要」などの意見も示された。

実情を踏まえた規制の運用を(消費者団体)

 事業者団体からは、ステマでビジネスを行っているのは一部であり、その他大勢の事業者が萎縮しないような運用を望む声のほか、「消費者庁内に問い合わせや相談に対応する専用窓口を設けてほしい」、「周知・教育のためのセミナー開催やパンフレットの配布を」などの意見も出された。
 また、事業者が一般消費者に好ましい商品レビューを依頼し、それによって高額な商品を売りつけられるケースや、善意で書き込んだクチコミが知らない間にステマに利用されているケースも消費者団体から報告され、「インフルエンサーやアフリエイターはもちろん、一般消費者も被害者と無意識の加害者にもなりうる現状がある」とし、実情を踏まえた規則の運用を望む声も上がった。

 国民への認知浸透や悪徳業者の抜け道を防ぐ意味からも、今回の公聴会での意見をどのように反映して、実態に即したものにできるかがポイントになりそうだ。今後、消費者庁はきょうの意見を踏まえて、消費者委員会への諮問、準備・周知期間を経て、「施行に向けて準備を進めていく」としている。

【堂上 昌幸】

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