BHNの受託事業、機能性表示がけん引 原材料事業との両輪 届出支援をフルパッケージで
ビーエイチエヌ㈱(東京都千代田区、恩田明広社長。以下、BHN)が最終製品受託製造(OEM・ODM。以下、OEM)事業の業績を伸ばしている。同時に手がけるサプリメント・健康食品の素材(原材料)開発・販売事業で、機能性表示食品対応素材の取り扱い件数を増やしていることが背景にある。機能性表示食品を軸に、素材事業とOEM事業の両輪を回すことで、各事業が相乗的に成長している格好だ。
BHNがOEM事業で対応している生産品目は、錠剤やカプセルなどのサプリメント形状から粉末、顆粒、ドリンク、ゼリーまでと幅広い。製剤化は主に協力工場で対応しつつ、2001年竣工の生産・開発拠点「播磨生産開発センター」(兵庫県たつの市)で最終包装や品質保証などを手がける。認証に関しては、これまでに(公財)日本健康・栄養食品協会による健康食品GMP(包装工程)を始め、ISO22000、有機JAS(小分け業者)を取得した。同センターは、素材事業の研究開発拠点も兼ねている。
ドリンクやゼリーに関しては、「Tパウチ」という特に運動時の利用に適した、手のひらに収まる飲み切りサイズの包装容器を使った製品のOEMに対応する。液体三方シールも可能だ。これらの製造は、(一社)日本健康食品規格協会による健康食品GMP工場認定を取得した「BHN名古屋工場」(日興薬品工業原工場、名古屋市天白区)で行う。ドリンクやゼリーのOEMは、全国のスポーツイベントが新型コロナ禍で中止に追い込まれた煽りで受注量が減少していたが、「ここにきて復活しつつある。大会が再開され始めたためだ。今後に期待が持てる」(OEM事業担当幹部)。
一方、機能性表示食品のOEMについては、同社の独自素材も含めた機能性表示食品対応素材を中心に、機能性表示食品のラインアップを増やしたい顧客のニーズをくむことで、受注数量を増やしている。素材事業と連携することで、機能性関与成分の研究レビュー(SR)など届出に必要な各種資料を自前で用意、顧客に提供できるのが強みだ。いわゆる「SR付き原材料」の開発・販売から最終製品の受託開発・製造まで、フルパッケージに近いかたちで届出サポートに対応している。
現在、同社がラインアップしている機能性表示食品対応素材は、ウェイトマネジメントから冷えケアまで6領域9素材。このうち動きの良いのが、原材料事業、OEM事業ともにウェイトマネジメント領域で、主力は緑茶抽出物(茶カテキン)だ。また、食後血糖値の上昇抑制機能を訴求できる独自素材、鹿児島県喜界島産ボタンボウフウ(長命草)を原料にしたボタンボウフウ粉末(ボタンボウフウ由来クロロゲン酸)も採用実績を堅調に伸ばしている。
ボタンボウフウ粉末に代表される、以前から開発に力を入れてきた国産独自素材については、年内にも、冷えケアを訴求できるツバキ種子エキス末(カメリアサポニンB2)に続く機能性表示食品対応素材を創出する計画だ。当該素材はオクラ種子エキス末で、製品名は「完熟オクラシード」。現在、同社で届出を進めており、公開され次第、届出サポートを開始する。この他、認知機能(記憶力)領域で大豆由来ホスファチジルセリン(PS)やイチョウ葉、肝機能領域でブロッコリーシードエキス末(スルフォラファングルコシノレート)などを取り揃えている。
今後のOEM事業では、東南アジア(タイ国)に事業拠点(フィッシュコラーゲンペプチドの生産工場)を構えることを強みに、海外市場進出の意向を持つ国内顧客をサポートしたり、海外顧客の開拓を加速させたりしたい考え。
また、今春に本格始動させた新規事業、EBF(Evidence-Based Functional Food)推進事業とのシナジー創出も図る。同事業は、機能性表示食品に限らず、サプリメント・健康食品全般について、原材料、最終製品を問わず、基礎研究から臨床試験(RCT)までサポートしつつ、一定のエビデンスがある製品の開発・販売に向かう顧客を全面的に支援するというもの。同事業の成長を図りつつOEM事業の拡大につなげる。
(冒頭の写真:BHNの生産・開発拠点、播磨生産開発センター)
<COMPANY INFORMATION>
所在地:東京都千代田区神田錦町1-16(本社)
TEL:03-5281-5661
URL:https://bhn.co.jp
問い合わせ:https://bhn.co.jp/contact
事業内容:サプリメント・健康食品等の製造販売
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