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6・6プレスリリースの「怪」(4)  紛糾する健康食品GMP認証の真相は?

「制度運用には最低1,000万円が必要」(信川理事長)

 今回、JCAHFが両機関に改訂を求めた料金については別表のとおりである。旧(従来)料金欄の斜線部分は改訂まで存在しなかった料金だ。また、安全性認証については、JIHFSは実施していないため、JHNFAのみにかかる料金となる。
 編集部の試算によれば、JCAHFに初年度支払う指定料金は、審査申請料200万円、GMP監査料60万円、安全性自主点検認証監査料30万円(JHNFAのみ)、GMP指定許可(更新)料3年分150万円、安全性認証・指定許可(更新)料3年分50万円、GMP工場マーク使用料約200万円、GMP製品マーク使用料約75万円、安全性自主点検認証GMPマーク使用料30万円、同製品使用料4万5,000円となる。2機関あるため、審査申請料・GMP監査料・GMP指定許可(更新)料については、ほぼこの倍の料金がJCAHFの収入となる。

 「今は年間300万円程度しか両機関からの収入がない。最低1,000万円はないと協議会を運営できない。確固たるものをやるためには1,500万円が必要」というのが取材時の信川理事長の主張。上記料金を合算すると、それに近い数字となるのではないか。これに対してJHNFAとJIHFSは、JCAHFによる過去における年間経費の使途ならびに、請求金額の根拠について開示を求めているが「今のところ回答はない」としている。

厚労省の仲介も不調に

 3者の膠着状態が続く中、打開に動いたのが厚労省だった。7月4日、厚労省新開発食品対策室の今井室長の呼びかけにより、3者は同省内で話し合いの場を持つことになった。ところが、会見はJCAHF信川理事長の独演会となり、「対話にならなかった」(JHNFA、JIHFS)という。ここで思い至るのが、「健康食品の安全性確保に関する検討会」報告書が示した厚労省の立ち位置だ。厚労省はあくまで法的拘束力は持たず、アドバイザー的な支援に回るという一文である。厚労省が何と言おうと、「決定権は我にあり」という主張を譲らない信川理事長。出番を失ったJHNFAとJIHFSは「改めて書面で質問書を提出する」として、その場を離れざるを得なかった。この時の会談について厚労省は「基本的に3者の問題」とし、今後の方針についても口をつぐんだ。会合は不調に終わった。

JCAHFの矛盾した要求

 それからすでに4カ月余りが過ぎた。JHNFAとJIHFSは指定機関を取り消されたのだろうか? 200を超える事業者は健康食品GMP認定を取り消されているのだろうか? そして今、JCAHFは新たな指定機関を募集し新たな活動に入っているのだろうか? その間、厚労省は行司役としていかなる采配を振るったのか? 
JHNFAとJIHFSはそれぞれ、厚労省の確認を得た上で、8月1日付でJCAHFに対して質問書を提出した。JIHFSには9月21日、JHNFAには22日に郵便で、JCAHFから1通の手紙が送られてきたという。「認証マーク使用許可料支払いのお願い」とするその書面には、以下のような内容がしたためられていた。

 「お送り頂きましたご質問状に関しては、慎重に協議しておりますので、もう少しお時間をいただければ幸いです。さて、安全性自主点検認証機関の認証マーク料(2021年4月~2022年3月)は値上げはしておりませんが、いまだにお支払いいただいておりません。また、GMP認証機関の認証マーク料(2021年4月~2022年3月)の支払に関しては、値上げについて貴協会と争いが生じておりますが、値上げ前の金額については争いはございません。以上から、2022年9月28日(水)までに、安全性自主点検認証機関の認証マーク料(2021年4月~2022年3月)及び値上げ前のGMP認証機関の認証マーク料(2021年4月~2022年3月)を、添付の請求書に従いお支払い頂きたくよろしくお願い申し上げます。
 なお、GMP認証機関の認証マーク料の値上げについては引き続き協議を継続させていただきます」(原文ママ、但し「安全性自主点検認証」についてはJHNFAのみに請求)。

 JCAHFの申し出に対して両機関は、「9月17日付の請求書で当月末払いを求めるのは非常識」と指摘しつつも、すでに28日に支払いを済ませている。当初は改訂料金での支払いを求めたJCAHFだが、今回、旧(従来)料金での請求となったのはなぜか? 2機関はこれらの矛盾した申出に対し、改めて不信感を募らせているようだ。
 この件も含めて、7月~10月にかけて、信川理事長には3度取材の申入れを行っているが、今もって梨のつぶての状態が続いている。

JHNFA、JIHFS両機関への取材を基に編集部で作成

(了)
【田代 宏】

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