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栄養機能食品の表示はどう変わるか 機能の文言や摂取上の注意事項など見直しへ、事業者の実務に影響も

 栄養機能食品制度の見直しに向けた議論を、消費者庁が立ち上げた有識者検討会が進めている。取りまとめはこれからだが、栄養成分の機能表示の文言や下限値・上限値、さらには摂取上の注意事項表示が見直されるため、事業者の表示実務や製品設計に影響を及ぼすことになる。ビタミンやミネラルなど栄養成分の機能表示を介した消費者とのコミュニケーションの在り方にも変化が求められそうだ。現時点までの議論を整理する。

制度の位置づけと見直しの背景

 栄養機能食品は、食品の機能表示が認められている保健機能食品の1つ。根拠法は食品表示法。同法の規定に基づく食事摂取基準(内閣府令)で「栄養成分の補給を目的として摂取する者に対し、当該栄養成分を含むものとしてこの府令に従い当該栄養成分の機能の表示をする食品」と定義されている。

 同じく保健機能食品である特定保健用食品や機能性表示食品と異なり、個別の許可申請や届出を行う必要はない。食品表示基準に定められた規定(栄養成分の下限値・上限値など)の遵守を事業者が「自己認証」することで、ビタミンやミネラルに加え、n-3系脂肪酸といった計20種類の栄養成分の機能を表示できる。

 ただし、表示できる機能は、各栄養成分について食品表示基準に定められた文言に限定される。事業者が創意工夫を発揮して文言に変化を加えたり、省略したりは一切認められていない。また、同様に食品表示基準が栄養成分個別に定める「摂取する上での注意事項」の文言もそのまま表示しなければならない。

 そうした栄養機能食品の制度は今から25年前、2001年に創設された。この間、制度の対象となる栄養成分の追加などは行われたものの、機能表示や摂取上の注意事項の文言が見直されないまま運用されてきた。

 そのため、「特に栄養成分の機能の文言は、現行の『日本人の食事摂取基準』に記載された機能のエビデンスとかい離が生じている」──消費者庁は制度の見直しの理由をそう説明する。四半世紀の間に生じた、栄養成分の機能を巡る実態と制度の「かい離」。その解消が制度見直しの大きな目的だ。また、消費者や事業者により理解されやすい機能表示に改める目的もある。

機能表示の文言と下限値・上限値をアップデート

 栄養機能食品制度の見直しに向けて消費者庁は昨年10月、有識者をはじめ健康食品業界・消費者団体幹部ら計9人で構成する検討会を立ち上げた。その前段として2021年度に「栄養成分の機能表示等に関する調査・検討事業」、23年度には「栄養機能食品における栄養成分の機能表示の見直しに係る調査事業」をそれぞれ実施していた。その上で検討会に対し、食品表示基準で定める栄養機能食品の義務表示事項のうち、①栄養成分の機能、②(1日あたり摂取目安量における)下限値・上限値、③摂取をする上での注意事項──3規定を見直し事項として提示。検討会は現在までに2回の会合を開き、①と②について議論を進めた。

 消費者庁は、①と②について、栄養機能食品制度の土台となる「日本人の食事摂取基準」(2025年版)、それに基づく「栄養素等表示基準値」のほか、前述の調査事業の成果を踏まえた改正案を用意して検討会に臨んだ。そして検討会はそれぞれの改正案を概ね了承。②の下限値・上限値の改正案は以下のように整理された。

 こうした下限値・上限値の設定根拠(算出方法)も議論された。同庁が検討会に提案したのは、下限値については「栄養素等基準値の30%」とすること。カルシウム、パントテン酸、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンEは現行から値が増えることになる。一方、上限値の算出方法については、「国が定める上限値である以上、安全性の確保が特に重要である」などといった基本方針を示しつつ、以下の案を提示した。

●以下の①または②と、医薬部外品1日最大分量を比較して、低い方の値
 ①健康障害非発現量(NOAEL)から日本人の平均的な摂取量を差し引いたもの
 ②耐容上限量(UL)から日本人の平均的な摂取量を差し引いたもの
●NOAEL、UL、医薬部外品1日最大分量が設定されていない成分は、栄養素等基準値

 検討会はこれを踏まえ、銅については現行の6.0mgから4.6mgへ値を下げることを了承。逆に、亜鉛とマグネシウムについては現行から値が増えることになる。なお、医薬部外品1日最大分量は設定されていないがULは設定されている栄養成分(亜鉛・銅)の上限値について同庁は、ULから日本人の摂取量の上位1パーセンタイル値を差し引いて算出する方法を提案した。

 一方、①の栄養成分の機能表示文言の改正案は以下のように整理された。この案の土台には、前述の23年度調査事業で取りまとめられた「見直し原案」がある……(つづきは会員専用記事閲覧ページへ。残り約1,800文字)

【石川太郎】

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